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  ~懲りない傾向~

20年くらい前の近未来日記

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ハードディスクの中からサルベージしたテキストは、20年くらい前に書いたものでしたが、主人公が「何年も前に成人した僕の曾孫」という設定は、だんだん予測が崩れてきています。スズキももっと早く水素燃焼エンジンを世に出すかもしれませんし。それ以前に、この世界観をわかってくれる人なんか当時も今もいないんじゃないか?

おまけにブログ記事としてはとてつもなく長いので、お読みになるのはやめといたほうがいいかもしれません。

そんなもの出すなって? 僕だって(そうもいかなくなっちゃったんだけれど)正月くらい休みたかったんですよー。

 

その日僕は、納車されたSUZUKIの4輪駆動車「雫」についての、取り扱いマニュアルを読みふけっていた。
4WDはSUZUKIのロングセラーブランドだが、営業オフロードコース以外に未舗装路の乏しくなった現代、新しい提案を求められていた。
“雫”と名付けられた新型四駆は、2040年にSUZUKIが発表した水素燃料エンジンが搭載されたものだ。

当時、水素燃料をイメージさせたという“雫”なる愛称は、SUZUKIの文字を組み替えたものと話題になった。これは三代目にあたる。

届いたばかりのこの新車をさっそく乗り出してみようと思っていたところへ、ロンドン郊外に住む知人、アンウイン・スタンレー神父からの使いがやってきた。
驚くべき事に、彼、マシュウ・ハーディングは身の丈50cmにも満たない小人であった。
物質縮小マシン「ミニマイザー」の効果によって自らのサイズを変え、隠密行動をとっているのだという。スタンレー神父は、イギリス情報部本部聖職者作戦課 (BISHOP)のエージェント、マシュウは神父の助手にしてコマンドなのだ。

彼は一枚の写真を僕に差し出した。
デジタル写真が平準化した現代においては珍しい、銀塩写真で撮影されたもののようだ。
神父が、発令されたロンドン指令Xに基づく調査の末、命がけで入手したものだという。命がけだったのは、たぶんマシュウの方だろう。
そこには奇妙なクルマが何台か映っていた。
マシュウは淡々と話し始めた。

20世紀末、謎の円盤UFOが地球上に現れ、地球人誘拐などの事件が相次いだ。
宇宙人の侵略という可能性を見出した人類は、1980年代に地球防衛秘密組織SHADOを結成し、UFOの迎撃作戦を展開していたという。
SHADOはイギリスのハーリントン・ストレイカー映画製作プロダクションの撮影スタジオ地下に司令部を設けていたというが、存在は世界的に秘匿され、月面に前線基地があることすら、人類は知らされていなかった。

その事実が明るみに出たのは、1999年のこと、月面に廃棄していた核廃棄物が連鎖反応を起こし月が地球の周回軌道を外れ太陽系を飛び出してしまう、ムーンベース・アルファ遭難事件によってであった。
ムーンベース・アルファの漂流は、異なる種族との遭遇を果たすが、この事件によって地球を直接侵略しようとするアンドロイド・ゼルダのモンスターも確認された。2020年、人類は地球防衛軍テラホークスを結成してこれを迎え撃った。混乱期に入った地球は、海底からの地上侵略にも見舞われた。タイタン族と名乗る海底人が、UFOやゼルダと共闘していたかどうかは確認されていないが、この局地的侵略には、世界海洋安全機構(WASP)が派遣した原子力潜水艇 スティングレイのトロイ艦長が対応にあたった。

マシュウはデミカップを両腕で抱えながら、ややぬるくなったアールグレイを一口すすり、これほどの攻防に投入された人材、資機材と資本のことについて考えられることは何か。と、僕に問いかける。
卓越した人材登用と技術革新、それに伴う防衛装備の開発・・・ そうか、軍事組織や超兵器の存在は秘匿されていても、開発に伴って培われた技術は、形を変えて一般社会に流出しているのだ。
雲を突くような超高層建築や、それを短時間で施工してしまう工業化技術、巨大な土木工事を合理化する大型土木機械の登場は、確かにある。しかし、ここ数年、原子力施設でのトラブルや、地球環境の変化から起きた自然災害による人的被害も拡大傾向にあった。

マシュウは話を続けた。
災害や事故に対して、国や政治、思想、宗教を問わず駆けつける私設救助隊が存在する。
その機動力は、地球の裏側へも一時間以内に到着し、無償の救助活動を展開する。
テクノロジーをねらう妨害者も存在するが、彼等「国際救助隊」はあらゆるイデオロギーを越えて、世界平和のために尽力しているという。

彼等の顔も姿も見たことはないが、時折、ニュース配信されてくる「国際救助隊」の活躍はよく知っている。彼等は、見ず知らずの被災者を助けるためだけに、命を賭して災害現場に乗り込み、名前も告げずに去っていくのだ。
21世紀半ばを過ぎて、ようやく地球規模の実質的な平和維持を唱えることのできる時代がやってきたのだ。
つまり、スタンレー神父は、僕に、“僕の曾祖父”の意志を継いで、彼等のような正義と平和のための盾として立ち上がれと伝えをよこしたのだろう。
すると、マシュウは、そうではないと首を横に振った。

この数年、人類は有人火星探索を実現している。しかしその途上、誤って異星人ミステロンの基地を破壊してしまい、ミステロンは人間や機械を自在に操れるロボット光線を使って、地球人への復讐を予告してきたのだという。
人類は新たな地球防衛機構「スペクトラム」を結成し、ミステロンの攻撃を撃退しようとしている。

それが、届けられた写真なのだという。
手前の赤い車両は識別もできないほどピントがずれているが、その奥の2台は画像処理によってディティールが明らかにされていた。
フロントタイヤが縦2連のロールス・ロイス! 2065年に日本の自動車スクープ誌がパパラッチショットを載せたものの、それ以前の2060年に大富豪J・トレーシーがフォルクスワーゲンから全面買収し経営再興を図っているロールス・ロイス社が、その存在を全面否定した、あのピンクのスーパーロイスだった。

ジェットエンジンを搭載しているらしい。というウソか本当かもわからないあやふやな情報のこのクルマは、実在したのだ・・・ 隣に対峙している窓もドアも見あたらない車両は、スーパーロイスの大きさから比較想像しても、かなり大型の装甲車のように見える。ドアもしくは乗降ハッチは、おそらく車体のサイドパネルに描かれている、見たこともないエンブレムのあたりにあるのだろう。
さらに奥で護衛のように控えているのは、謎の組織、スペクトラムが世界中に配備しようとしているSPV。わかりやすく言えば追跡戦闘車だ、と、マシュウはつぶやいた。

スーパーロールス・ロイスの所有者は、英国貴族クレイトン・ワード家の長女であるペネロープ・クレイトン・ワード嬢だという。
マシュウによれば、スタンレー神父の所属組織BISHOPとは異なる英国情報組織(F A B)に勤務している彼女は、個人的な関心から、例の国際救助隊にも取り入っており、そのイギリス支部エージェントという肩書きも有しているそうだ。
彼女がスペクトラム結成のために、ずっと以前から行動していたことを、スタンレー神父はキャッチしたらしい。
スペクトラムの指揮官であるホワイト大佐の存在と、件のペネロープ嬢が秘密裏に会見している場面が、マシュウが命がけで撮影したまさにこの写真だったのだ。

マシュウは告げた。

世界は再び、軍事力によって均衡を保つこととなる。20世紀末から経済斜陽で疲弊しきった日本にも、軍需による活況期が訪れるだろう。そのとき、何が正義で、何を信ずるべきかの、健全な判断力を有する世論は不可欠となる。
「ライデン・アラシダ。君と、君の仲間が構築するネットワークの活躍に期待したい。君の国の優れたモータリゼーション・テクノロジーとその産業が、軍需だけに傾くことのないよう、見守ってもらいたいのだ」
マシュウは初めて、事務的な対話を感情のこもった声に変えて、僕、“嵐田雷電”に、スタンレー神父からのメッセージを告げた。
マシュウが帰ったあと、僕は“雫”を走らせ、関東平野の隅っこに秘密基地を持つ曾祖父のもとへ急いだ。
曾祖父は齢100歳を越えてなお、すけべじじいを気取って、僕と同じ世代の若い女の子と遊びほうけている、どうしようもない妖怪爺ぃだと思っていた。
「ひい爺のあれは、このときのためのフェイクだったんだ!」
残念ながら、“雫”の性能をインプレッションするのは、また別の機会に譲らねばならない。僕は世界の片隅で、世界が動いている瞬間に、初めて遭遇した。
西暦2067年、冬のことである。

牛も千里、馬も千里

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西暦の末尾が「1」の年、株式市況にとってはろくなことが起こらないそうです。ついでにその年の干支が「丑」だったりすると、何かしらの要因でつまづくことも少なくなかったとか。真偽のほどは、過去の年回りを点検し、ことしを過ごしていけば、どうにかなるのかならないのかがはっきりするでしょうから、当たるも当たらぬも八卦ってところです。

昨年暮れに木星と土星が何百年ぶりの超最接近したことで、世の中の流れはすでに切り替わっているという説もあります。西洋占星術において「風の宮」に属する星座の人たちにとっては、大躍進の年回りだとか。これもまた真偽のほどは過ぎてみないとわかりませんが、丑年で天秤座の僕は、両方比べてプラマイゼロかよ?

翻って丑=牛。牛乳飲んで育ったうえ、牛肉食って重くなった恩恵を受けていながら、牛には馬ほどの魅力が無くて、有馬記念や東京大賞典を走る競走馬が話題になっても、闘牛場での牛の扱いはもとより、そも闘牛って牛がマタドールに負かされる趣向じゃん。劣ったものから優れたものに乗り換えることを「牛を馬に乗り換える」とも云ってしまうのも、なんだか哀れさを感じます。

早くても遅くても、劣っても優れても、行き着く結果は同じじゃありませんか。慌ててもしょうがない。15年もかかりましたが、地球と月を往復する距離を走り切ったし、あの6月の日から現在、80万キロまであと6000キロを割りました。

牛も千里、馬も千里。走り続けられるなら、走ります。

おはようございます

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2020年はいろいろな著名人が鬼籍に入られ、昭和から平成に移り変わるときもそうだったと思い出していましたところ、昨日、31日午後、家内の母親が老衰にて享年85歳で静かに息をひきとりました。

新年早々そんな話で申し訳ありません。

そのような次第で、喪と年越しが一緒に来てしまいましたので、欠礼のご挨拶も間に合わず、年賀状の発送を急遽中止いたしました。年始のご挨拶もひとまず本日のみ辞退させていただきます。本欄へのコメントも不要ですのでお気遣いいただきませんようお願い申し上げます。

当ブログ、つくばーどサイトの掲示板などは通常運営いたします。

相変わらずのコロナ禍、警戒レベルの大雪です。皆様も安全とご健康にお気をつけ、2021年をお迎えください。

今さらですが20年紀でした

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一番下まで切り取れなかった

なんか10年前にもやっていて、またしても同じ轍を踏んでいますが、2020年はつくばーどサイト開設20周年でした。こんな年回りにコロナ禍なんか呼び込みやがったのは何処のどいつだよ。何一つまともな記念行事ができませんでしたよ。

20年紀なんて言葉があるのかどうか調べてみると、Scoreというらしいですが、2世紀くらい前に廃れてしまったらしく、2度目の10年紀としてTwo Decadesと呼ぶらしいです。

らしかったなあというのは、BLUEらすかるが地球帰還を果たしたことと、ついうっかり「200回目のつくばーど」を独りつくばーどでやってしまったことでしょうか。秋以降、買い出しトライアルを復帰させて、不発にならずに済んだことはもう安堵以外の何物でもありません。テレワークが定着しようとも、やっぱり引きこもっているのは性に合いません。

仲良しの福島県相馬の市長さんに「ウィズコロナというのは、正しく怖れて賢く逃げるものなんだよ」と教えられました。彼はもともとお医者さんです。様子を慎重に見ていればどう対処して回避するかが見えてくるということだそうです。これは「慣れる」ということとは少し違います。慣れは成すべきことを見失いますから。

それにしても、10年の節目の2度目を過ごして、なんだかんだ言って持続していることは、いかに不真面目に歳月を浪費してきたということなのかもしれません。それもぼちぼち残り少なくなっているとすれば、来年も好き勝手にやりたいぜ。という暴言を吐いて、本年を締めくくります。

みなさま良いお年を。

 

納会の無い納め

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仕事納めとか言いながら、既に2021年の仕込みで奔走というのが先月下旬からずっと続いているんですが、21世紀になってずいぶん経ったなあと思い始めました。もっとも今世紀末までまだとてつもなく年月が横たわってますけど。

一向に理解できない国の新型コロナウイルス対策は、来年も混沌としたウィズの世の中を拡張しちゃうような気がします。とりあえず明日から基地の大掃除をてれてれと始めます。

was the Night Just Christmas

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2本ばかりミゾ山が心配

この期に及んでまたしても杜の都ダッシュをしなくてはならなくなり、例年通りのスケジュールで冬タイヤに交換です。

俺絶対に日本海側には行かないからなっ! などとやり取りをしていたのが先週の話です。なにしろ持ち出したDM‐V1は2017年に購入して組んだスタッドレス。その頃の走行距離が67万キロで今79万キロですよ。冬しか使っていないとはいえ、もう新品に入れ替えたい。しかしサニーの夏タイヤからワイヤーが見え隠れしてやがるではありませんか。まじかよ、で、そっちを優先。

走行時は点してません

BLUEらすかるのタイヤは夏冬とも225/70R16で、外径は722ミリです。

てな具合に脳内で暗記しているにもかかわらず、買ってしまったリースの外径が600ミリ。いやそれ以前に「なんでこんなもの買ったのっ」と、家族全員から呆れられているわけですが、買っちまったものはしょーがねーじゃん(しょうがないのか?)で、ぐいぐい拡張しながら括りつけましたよ。それも本日いっぱいで外しちゃうんですけど、来年は700ミリものを買おう。←凝りてねー

ホルストでも聴きながら

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今夕日没の頃から明日にかけて、木星と土星が最接近という軌道会合となります。

木星と土星の最接近自体は約20年周期で巡ってくるのですが、ことしのそれは「超」がつく・・・という割に僕の知識では距離を示せないのが素人記事で、それでもどのくらい「超」かというと、これほど接近するのが約400年ぶりだということです。

天文の本によると、そのうち前々回の「超」最接近が1226年3月だったそうです。あれ? その頃ってチンギス・ハーンが没した頃じゃないか? と思い立って勉強し始めたら、それは27年なんですが、だいたいこの頃、モンゴル帝国の逆鱗に触れた西夏が滅ぼされ、大陸ではちょっとした激動の時代であったようです。

日本においては、24年に北条義時、25年に北条政子と大江広元が相次いで亡くなり、鎌倉幕府が揺らいでいました。それまでの合議制システムを正式に制度化した評定衆の出来上がった頃です。

はーなるほど、こういうのをこじつけると、2020年周辺の政治なりパンデミックなり巨大災害なり、木星と土星の運行に引きずられているのかと、言おうと思えば言えちゃう事象になっていくようです。次回の「超」最接近は2400年頃だというので、そんな、U.S.S.エンタープライズ ですらNCC-1701-F型の時代なんか面倒見きれないのでどうでもいいです。それでも、「超」までつかないけど「なかなかの」最接近が次に起こるのが2080年らしいので、やっぱりその頃いないよと匙を投げるしかありません。

ただ、2080年の「次の次」に来る最接近の頃、「機動戦士ガンダム」の宇宙世紀0080終戦協定にあたるという、旧世代ガンダム年表があり、太陽系にマイクロブラックホールが飛び込んでくる宇宙災害に太陽系開発機構が挑む「さよならジュピター」(双方2125年)とか、やはり太陽直撃軌道を取る極小ブラックホールの軌道変更と、そこからエネルギーを取り出そうとするAADDの活動(2120年)など、未来においてもいろいろ騒がしいです。

しかし2020年の事例は、割と大ごとらしく、西洋占星術の世界ではこの会合は「200年続いた地の宮」から「風の宮」への移行の年だそうで、向こう200年にわたって風の時代が始まるとかなんとか。双子座とか天秤座、水瓶座の人々にとっての大転換期(良いことらしい)だともささやかれています。しかも「冬至」という季節の節目も重なっています。

四半世紀、いろいろ背負うわ

2 Comments »

1995年  白川郷・五箇山の合掌造り集落が世界遺産登録。←この日誕生。
2003年  日本の火星探査機「のぞみ」の火星周回軌道投入を断念。
2005年  日本の小惑星探査機「はやぶさ」との通信が途絶える。
2019年  ニュージーランドのホワイト島で火山噴火。
U.C.0079年  サイクロプス隊、地球連邦軍北極基地を襲撃(まあこれはどうでもいい)

昨年のニュージーランドの火山被害にはあまり関心を寄せませんでしたが、「のぞみ」「はやぶさ」を立て続けに遭難させたのは自分なのではないかと、当時はけっこう意気消沈していたわけです。

今日、25歳。何事も無ければいいねー。

姉の日

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著述家の故・畑田国男さんが提唱したそうで、これに対する「妹の日」は9月6日です。兄と弟の日もありますが、まあすべて月違いの6日が充てられています。姉の日。これまた昨日出てきた聖ニコラウスに絡むのですが、かの人の命日であることとか、ニコラウスが貧困に窮した家庭の3人の姉妹を救う金貨投げ入れ伝説などから持ってきたらしく、投げ入れた金貨が煙突を通って靴下に入り込んだという伝説から、クリスマスのプレゼントは靴下に入れる風習が生まれた・・・との話。

我が家の姉妹もそれぞれの仕事で休日がまちまち。休みが合致すると連れ立って出かけて行きますが、だいたい妹が運転させられるというヒエラルキーがあるものの、親が感心するくらいけんかをしません。7年前に亡くなった僕のお袋にも、ことし鬼籍に入った姉がいましたが、そこそこ仲が良かったとはいえここまでじゃなかったよなあと思わされます。

運転はさせるものの、ランチ代や諸経費については、ねーちゃんが出している(あたりめーだ)ようですが、社会人3年目のねーちゃんより、1年目の妹の方が給料は上だとかなんだとか。うーむ、それが地場企業と全国企業の違いなのか・・・

54億2000万キロの帰還

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いよいよ明日、はやぶさ2が地球大気圏突入軌道からカプセルを分離し、6日には先代のカプセルが着地したウーメラ砂漠に再び帰還してきます。探査機としてのはやぶさ2は、大気圏で燃え尽きた先代とは異なり、この段階で地球との距離20万キロから軌道を離れ、離れていくことになります。

全航行距離54億2000万キロ。地球と月の往復など足元にも及びません。

宇宙科学研究所によれば、この距離には自動車が長距離を走って刻む数字ほどの意味はない。6年に及ぶ航行を無事に果たすことの方に意義がある。と説明していますから、足下に及ばなくとも、やっている側にとっては励まされた気にさせてくれます。

先代はやぶさにはいろいろと縁があり、あれが小惑星イトカワへ運んだ「署名」の中に、うちの家族の名前も混じっていましたし、先代が打ち上げられた2003年5月に火星が大接近し、つくばーどサイトでエスクードマイレッジを立ち上げるきっかけとなりました。この年、ESCLEVサイトも立ち上げられています。

はやぶさの帰還から10年。2番機がより大きな成果を持ち帰ることとなり、この2番機は次のミッションとして小型小惑星「1998KY26」への探査に向かう計画だとか。地球と火星の間を公転しているというこの小惑星へは、往路だけで100億キロレベル。帰還予定が2031年と見積もられています。

それが、災害激甚化や感染症蔓延の世の中にとって何の役に立つというのか。という声も必ずや上がると思われます。が、こんな閉塞感だらけの時勢に、とてつもないスケールの宇宙とのコンタクトをポジティブにとらえて、素直に「すごい」と夜空を見上げる気持ちを持つことができるのは、少なからず役に立つ話だと感じています。