この3月末で、時々立ち寄っていた「うなぎの成瀬」のある店舗が閉店し、あらやっぱり蒲焼を焼くのではなく蒸気で加熱した鰻なんぞは(そんなにまずいものではなかったんだけれど)通うに値しないと、地域では格付けされてしまったのかと思わされました。極論を言えば、蒸さずに焼く西日本流を好む人には、成瀬の鰻重ははなからダメだろうし、鰻そのものが慶事だったり景気づけだったりの、ちょっと豪勢に行こうかといった食い物として定着しているから、日常の壁が厚かったようです。
同店のフランチャイズ契約店舗は、この冬に突如、各地で相次いで店じまいに追い込まれていることが、ブロガーの記事やSNSでも話題になっていました。それでだいたいの背景はわかったのですが、昨年だったか、あおいろさんが「安い鰻を食うなら牛丼屋に行けばいい」と言っていたことを思い出します。そうなんだよなー、「重」で価格破壊に持ち込もうとしたのが躓きの元で、大衆系という風穴を開けるなら「丼」で攻めればよかっただろうに。
まったく別の、個人経営の鰻専門店がこの閉店した店舗から10分くらいのところにあって、義弟の同級生が女将という世代交代をしながら繁盛しているのですが、この店も一時期、倒産の危機に遭ったことがあります。85年の筑波科学博に店舗を出して、そのままの価格帯で牛丼屋とハンバーガー屋に大敗したことが原因でした。しかしここは地域の客が支えて持ち直し、客に対するもてなし方にも改革をして、店舗の拡張にまで至っています。真逆の歴史という印象です。
してみると、成瀬の場合は物価高騰やイメージ戦略の独りよがりなど、親会社が契約相手に対してフォローをしていないマニュアルだけの営業スタイルが原因で、扱う商品をなめていることが浮き彫りにされた感が強いようです。実は閉店した店よりもずっと近所に、昨年暮れから開店した店舗があるので、安い鰻重(鰻重には選び方があり、特上だ上だ惑わされてはいけない)を食うならそこへ行けばいいんですが、ここも一軒挟んだ隣に喜多方ラーメンのフランチャイズがずっと前からある。冬場はどう考えても勝ち目がないよなあ。










