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  ~懲りない傾向~

マイティジャックを取り戻せ! 後編

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その夜、太平洋上を飛行するMJ号を衛星軌道から捕捉するものがあった。
某国が打ち上げた気象衛星の軌道だったが、衛星は地上での組み立て時既に秘密組織Qに乗っ取られ、ある種の改造を施されていた。
打ち上げ後にその謀略を察知した某国は直ちに衛星の自爆コードを発信したが、衛星はコードを受け入れず破壊に失敗していた。国連安全保障理事会の緊急招集を機に大国によるキラー衛星攻撃ミッションも展開した。

それらはQ衛星の返り討ちに遭い多くが爆散させられ、発生したデブリ群がQ衛星を護る形となってしまった。各国とも「その場にある厄介者」を位置確認しながら打つ手を失っていた。
マイティジャックに対しては、東京の矢吹コンツェルンから秘密裏に指令が下され、MJ号による攻撃作戦をもってQ衛星の破壊を促すこととなった。
しかし、MJ号の飛行高度は15000mが限界だった。Q衛星は高度36000kmもの静止衛星軌道にある。
このため、小笠原諸島東端の絶海に秘匿されている第二ドックにて開発された大気圏突破用重装備「アストランダ―ロケット」を追加装備する作戦が、同メカニックを設計したT・ナリタ技術顧問により提唱され、MJ号は小笠原上空にさしかかっていたところだった。

不意に四方の闇が強烈な光に包まれ轟音と衝撃がブリッジを襲った。
「落雷ですか?」
「この星空の夜でか? これは攻撃・・・」
隊長・当(あたり)八郎の声を遮るように機関士の服部六助が叫んだ。
「核融合炉に異常発生! プラズマ消失です、固体水素ペレット入射装置が停滞した模様っ・・・冷却ユニットが異常高温化しています」
その声を聞くまでもなく、当はQの攻撃だと判断していた。
「以前艦内に潜入されて同じトラブルを抱え込んだことがあったな」
当に言われ、副長の天田一平はすぐさま服部に太陽光プラズマエンジンのうち太陽光発電部から蓄電された電力稼働への切り替えを命じる。
「被害状況を確認!」
「後部の太陽光パネルの一部を貫かれたようです。緊急隔壁閉鎖とパネル破損部への防護壁展開は完了」
「冷却タンク以下のフロアには被弾警報なし」
艦内モニターを続ける一条マリの報告に、当は唇をかむ。
「まるでレーザーメスのような貫通力だな。そのおかげで逆に破損個所は限定的に済んだが、冷却系統を狙い撃ちしてくるとは」
「冷却剤、やはり凍結しているようです」
マリの続報は乗組員を震撼させた。
冷却剤として使われている水素は、通常時も半凍結状態で微細な氷状粒子として融合炉内のプラズマ温度のオーバーヒートを防いでいる。その温度は-260℃だ。しかし攻撃されたことで500℃もの高温に沸き立ちながら、分子レベルとしては凍結状態となってしまったのだ。高速粒子線による超高圧力攻撃という兵器がQにはあった。
「例の『熱い氷』ですか。しかしあのときはわざわざ融合炉区画まで接近しないと効果が出せなかった代物で」
天田は信じられないという顔をする。科学陣の長、村上譲は冷静に状況を読んだ。
「技術のブレイクスルーだよ。おそらく今のは衛星軌道からの攻撃だ」
「高速粒子をそんな高高度から撃ち出すなんて」

「格納庫工場に超音波震動融解装置のパーツストックがあったはずだ。直ちに組み立て冷却水の融解作業を開始するよ」
天田との対話を一区切りして、村上が席を立つ。これにパイロットの寺川進が助手としてついていく。
当は一条に、三浦半島の本部に待機している緑川登と弓田エマ宛に状況連絡の暗号通信を送るよう指示し、服部に問いかける。
「六さん、蓄電量は?」
「第二ドックまでなら問題ありませんが、迂闊に近づくとドックの所在地を索敵されます」
「下には奴らの潜水艦の一隻や二隻はいるでしょうね」
「そいつらとやり合っていては融合炉の緊急停止状態が問題になる。といって着水後にのんびり見物してくれる相手でもなさそうだな」
「短期決戦、落とし前は付けてやりますよ」
天田は戦闘指揮を当に委ね、迎撃実務の担当を申告した。当は頷く一方で、
「着水と同時に急速潜航。俺なら着水時に艦の周辺にあの高速粒子ビームを乱射する。あれの出力が連射できるのかどうかはわからんが」
「なるほど周辺の海水を『熱い氷』で固めてこっちを動けなくするってわけか」
「よほどの自信があるのか、すぐさま二射目を撃てないのか。あれ一発で充分なわけだったが、敵に時間を与えるのは面白くない」
「ゲン、聞いてのとおりだ。いつ撃たれるかわからん、着水潜航急げ!」
「よーそろっ、全員着座しといてください、少々荒っぽく行きますよ!」
パイロットの源田明は余裕の表情で操舵桿を握り直す。
MJ号は降下速度を維持しながら艦首を徐々に引き上げ始める。

マリが叫んだ。
「上方に強力な電磁波! 第二射来ますっ」
「よけろゲン!」
ブリッジ前方右舷を高速粒子ビームがかすめた。目のくらむような光の槍とブリッジ内をも揺るがす轟音が響き渡る。源田は間一髪でこれをよけたが、MJ号周囲の雲と水蒸気が影響を受け艦体に付着して『熱い氷』と化した。
「ちくしょう、砲塔と艦載機射出口をやられた!」
「かまわん、今は潜航が先だ」
天田は源田の戸惑いを打ち消すように指示する。
「しかし射出口を閉じることができません。浸水します!」
「艦内工場側の隔壁閉鎖だけでいい。とにかく行くんだ。マリ、二射目までの時間差はわかるか?」
「4分28秒です」
「了解マリちゃん、潜航時間の記録打ち立てちゃる。先生っ、ケガ人が出るまで副操舵席を頼みますっ」

先生と呼ばれた英 健(はなぶさ たけし)が源田の左隣のシートに就く。心臓外科医が英の生業だが、マイティジャックにおいては源田、寺川と共に名パイロットの顔も併せ持つ。源田は振り向きもせず、誰にともなくサムズアップサインを繰り出した。

 

※本作は勝手に書き始めたオリジナルです。同作関係者などとの関係はありません

 

 

・・・というくらいで、あの有名な出航・離水シークエンスを冒頭に組み込んで30分はあるでしょうか。このあと海上、海中の脱出行があって、本部での緑川、弓田と矢吹のやり取りがあって、Qの絡みは謎として一切描かない。なんだかんだで第二ドックへたどり着いて突貫修理と宇宙用装備の増設をやって新しいシークエンスの急速発進を描いて、MJ号は宇宙の決戦へ・・・で、だいたい90分。

続きは・・・忙しいので書きません(おいおい)

 

 

宇宙世紀0133

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「機動戦士クロスボーン・ガンダム」は、「機動戦士ガンダムF91」の事実上の続編として1994年10月26日に連載開始されました。原作が富野由悠季さん、マンガを長谷川裕一さんが手掛けた27話のうち、富野さんが用意したプロットはアニメ化した場合の2クール分に及んでいます。「F91」がテレビシリーズ化できなかった反動かもしれませんが、ガンダムという記号が拡大し始めた頃、正当な宇宙世紀物として誕生しています。

「機動武闘伝」や「新機動戦記」がダメだというのではなく、すそ野の広がるガンダム世界の中、宇宙世紀を軸とする「Vガンダム」を挟みながら世界観を保つことも大事だったと思います。とはいえ富野さん自身が「眼玉2つ付いてて角があればみんなガンダム」と揶揄したように、GやWといった自らの手を離れたガンダムに異を唱えたかったんだろうなあと、海賊で義賊というクロスボーン・バンガードの設定や、クロスボーン・ガンダムのちょっと異形な姿に感ずるものもあります。

でも、外伝以降は別として、この27話にまとめられた物語はなかなか面白い。

特撮で来たのか!

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「ウイングマン」のテレビ放送が始まり、期待半分不安半分の駆け出しに、でもどっちかと言えばライダーに見えない仮面ライダーにも一年交代のスーパー戦隊にも食傷気味で、眼の下のクマが気になるくらい人相の悪い今期のウルトラマンにも感情移入できなかったところなので、過去にアニメ化されこけた(ような気がする)このヒーローを特撮で描こうというのは歓迎です。ウイングマン自体が数多の特撮のオマージュみたいな漫画でしたから、ずいぶん待ったなあと。

ひとつある懸念材料は、なにしろ1980年代に描かれたヒーローですから、ノートにイメージを描いて現実化させるという軸は良いとして、記載事項の書き換えだとか可能不可能の矛盾、ガジェットや決め技のネームセンスだとか、けっこう陳腐でもあります。歳くって尚吹き出さずに見られたかというと、もう苦笑ものではありました。だけどこれほどエッジを効かせながら王道をやろうって考え、テレビ東京ならではですね。

 

マイティジャックを取り戻せ! 中編

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「マイティジャック」の名シーンである出航場面は、オープニング映像としても有名ですが、第一話ではそのオープニング前のアバンで見せつけていました。これは1968年の映像で、円谷特撮としては前年の「ウルトラセブン」において、ウルトラホークの出撃シーンが先達として、遡れば「ウルトラマン」のジェットビートルといった映像の試みもありました。万能戦艦の出航は、それが全長235mという巨大さを表現する意図がうまくまとめられていたと思っています。

先に撮られているウルトラホークについては、まさしく「サンダーバード」を意識したカット割りに、管制室の実景を合成するといった凝りようですが、1号が全長40m級の大型機には見えにくい感も無かったわけではありません。それが235mにもなると、どこに置いてあってどんなプロセスで動き出して・・・などの場面設計と同時に、スケール感も考慮しなくてはならない。これを海底ドックから始めるとなると、そこまでMJメンバーはどうやって移動するか、ドックへの注水の水量をどのように見せるかまで積み上げる必要があり、それらがこの番組最高の見どころになっています。

ただし、東京の某所に集合をかけられ、メンバーがあちこちからそこへ駆けつけ、秘密裏に作られた移動レールカーで三浦半島まで移送され、ようやく乗り込んでからドック注水してフルゲージを待って出航し、離水するまで13分とちょっと。

ありえねー(笑)

ここからです。一度飛んでしまうと、敵組織が虎の子の空中戦艦を出してきてもスケール感が速度感の阻害要因になり、ミサイルの撃ち合いがまた凡庸になってしまいます。あまつさえメンバーが事件解決するためには艦外で戦わねばならないので、万能戦艦の出番は削られてしまいます。スパイアクションは面白かったけれど、僕らはたぶん、もっとたくさんのアングルから万能戦艦の活躍を見たかったのです。

これは次作の「戦え!マイティジャック」になっていくらか改善されたような気もしますが逆に、怪獣だの宇宙人だの巨大ロボだのをぞくぞく登場させやがって(笑)、子供をなめてんのかこのやろーっ という反感も持つのです。つまるところ「ウルトラ」以上にドラマと特撮を融合させるシリーズ構成者が必要で、脚本自体に関与していかないと、物語をもたせる尺は成立できないという大きな問題が見えているわけです。

「戦え!」において、そこをどうにか払拭できたと思えるのが、1クールと2クールのつなぎに放送された「マイティ号を取り返せ! 前後編」かなと、100%個人の趣味で引き合いに出してみます。Qの罠に誘い出された源田が艦を離れてしまい奪われてしまう。源田は漂流しながら近くに居合わせたヨットに辿り着き、どこかで見たことのありそうな謎の青年と出逢う。Qの手に落ちた万能戦艦は東京に襲来して霞が関ビルを突き破るなどの暴れ放題だが動力炉の異常で撤退。源田は仲間に叱責され単独で捜索に赴き、ちょっと都合良いけどQの基地を発見。ついでに謎の青年とも再会。しかしQにとらわれ動力炉の制御を迫られるがそこは秘密。

Qも馬鹿ではなく、源田の声を録音して声紋を使った制動起動の音声を流し再び出撃。その頃MJ本部では万能戦艦撃墜用のミサイル発射を決定。源田たちは艦内で銃撃戦をやらかし艦を奪還するもアンチミサイル発射回線を壊してしまい大ピンチ。そこで謎の青年は懐から・・・

多少の尺の都合にめをつむれば、この前後編はドラマと特撮が上手にまとめられています。回線修理のためにペンチを取り出す謎の青年が、ついこの前まで懐から赤いあれを出していた人だったというのも、遊び心全開です。ただこれは、「ウルトラセブン」という基礎情報を刷り込まれていたからこそ面白かったし、万能戦艦の出番が敵の手に落ちてからという、いろいろと禁じ手含みでもあります。強奪ではなく洋上で氷漬けにされるとか、別の客編にはまだ余地があるはずです。

そろそろ読み返したくなる一作

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1994年の10月に連載が始まったので、「じゃじゃ馬グルーミン★UP!」もいつの間にか40年の歳月を過ごしています。物語は1995年3月からスタート、最終回は99年6月に完結(連載終了は2000年)しており、競馬を題材とした漫画は他にもあるなかで、競走馬を育成する牧場が主体となった作風は独特のものです。ゆうきまさみさん自身が当時「馬を描くのは難しい」と語っていましたが、ブリーダーを通して競走馬やら競馬そのものやらの世界をけっこうわかりやすく読ませてもらえました。

「じゃじゃ馬」の主な舞台は北海道ですが、こちらの地元の茨城県にもちょっと出てくる美浦トレーニングセンターあります。連載の最中、トレセンでは2台のエスクードが公用車として存在していました。初代の1型とノマドの初期型で、JRAカラーに仕立てられた特注車でしたが、さすがに今では現役を退いていて跡形もありません。漫画の劇中にも、残念ながらエスクードは登場しませんでした。まあそれはそれとして、久しく手に取っていないので、読み返したくなっている一作です。

 

 

マイティジャックを取り戻せ! 前編

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それが「マイティジャック202X」となるのか「シン・マイティジャック」となるのかは定かでありませんけど(シン・の方はヤマトに行っちゃうようだし)、迷走した名作とも言うべき「マイティジャック」をリバイバルさせられるのかどうかを妄想しております。この番組は民間企業矢吹コンツェルン総帥・矢吹郷之助によって設立された11人のエージェントからなる「マイティジャック」と、世界征服を企む秘密組織Qの戦いをスパイアクションと特撮メカアクションで構成されています。

いわゆる視聴者層を「大人向け」に設定したため、このスパイものと「万能戦艦」のバランスが合わず、脚本がうまくまとめられなかったことで、大人にも子供にも受け入れられずに13話で打ち切られ、本邦初と言われた特撮カラー版1時間番組は轟沈、30分ものに短縮され(しかし26話確保された)視聴者層を下げざるを得なかった宿縁を持っています。

何がもったいなかったかって、円谷英二さん監修の「万能戦艦出航から離水に至るシークエンス」に、途方もない手間と予算をかけた映像が、おそらく60年代生まれの少年たちのハートを鷲掴みにしながら、飛んでしまうとこの万能戦艦が大味になってしまうことでした。それでも仮に同番組をリメークする場合、このシークエンスは絶対に外せないでしょう。

万能戦艦の出航シーンは、第一話冒頭のアバンから惜しげもなく使われました。メンバーの集結も含めて描かれた海底ドックから海上浮上、離水は約4分です。「『サンダーバード』の域には到達できなかった」と、当時のスタッフは語ったそうです。その「サンダーバード」映画版で、やはり冒頭に登場する火星探査ロケット(あれロケットなのか?)には、格納庫が展開し機体パーツが組みつけられ、そのためのホイストやアームが稼働するなど約8分の尺が使われています。

しかもこの場面は1号機が密航していた間抜けなスパイの凡ミスによってメカトラブルにいたり墜落という結末。2号機が用意され同じことを繰り返します。さすがにそれでは間が持たないのか、二度めには国際救助隊による待機と護衛といったシーンもインサートされています。ここに描かれる国際救助隊の出動シーンは、「もうテレビ版でみんな知ってるよね」と言わんばかりの短縮ですが3分程度で1から3号が飛び立つおなじみのシーンとなっています。

「映画版サンダーバード」も、見どころはそんなもので、火星での探検シークエンスはぐだぐだなうえ、帰還時に待ち受けていた大気圏内飛行用パーツとのドッキング失敗で、乗組員が脱出するまで国際救助隊が活躍するも結局地上に墜落して被害が甚大という後味の悪さで幕となっています。「マイティジャック」においては、出航後にどれだけの見せ場を作り込めるかが肝で、11人のメンバーが演ずるドラマに牽引されながらも、メカアクションにこそウエートがかかっていくでしょう。

 

影の力関係

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随分前に少年エースか何かで連載されていた「マイティジャックTHE SHADOW FORCE」は、その時期からして変わり種素材を求められた漫画だったように思います。それが後になって第一巻が単行本化されたのが2005年頃でしたから、忘れてしまうくらい年月が流れました。連載自体を読まない派なので、いつどういう終わり方をしたのかも知らないわけです。こんなのさっさと完結の第二巻出して売り上げ回収だろうと感じてたのですが・・・

先ごろアナウンスがかかり、ようやく「完全版」を11月に発売すると。おー、どれだけ待ったかもう覚えてねーよ・・・ってなにその「完全版」!

つまり二巻めを独立して出すほどのページ数が無かったのと、それ以外の補填情報がぜーんぶ写真集に使われてしまったからなのか。いずれにしても企画やら監修やらにおいて「影の力」が働いたんだろうなあ。こうなると一巻が不憫に思えてきますが、それを所有していない人には重版するよりも完全版の方がありがたいのか。

しかし元々の「マイティジャック」が1968年の特撮ドラマです。リアルタイムで観ていた人はもはや高齢者。漫画で体験した世代もぼちぼち中年世代? この辺りのファン層がボケないうちにもう一度映像化という伏線でもあるんでしょうか。そうなればMJ号は「ウルトラマンゼロ」にモブで登場して以来の快挙なんですが、海底ドックから発進して波を蹴立てて飛び上がったあと突然薄くなる「影=存在感」をどう色付けするかが肝心です。

赤のネガポジリンク

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初めに断り書きをしておく必要があります。本日、「がんばれロボコン」の放映からちょうど50年だってことでロボコンをフィーチャーしようとしていたら、この頃被ったり被りそうだったりかすっていたりの赤モチーフなロボットやらマシンやらヒーローやらがやたらといて、可能な限り毎日カテゴリーを変えていこうとしているこのブログの記事序列が破綻しかねなくなっていました。下4桁目が「4」の年回りだけに絞っても、ここに出ている連中がひしめき合っています。

もちろん、遡れば赤い体表のヒーローにはウルトラセブンがあり、その後の特撮ビッグバンとも言うべき1972年には臆面もなくレッドマンなんてのもいるんですが、それらは除外しております。でも、僕の親世代あたりは「赤は女の子の使う色」というなんとも不可解な不文律を持っていて、赤い服を着せられたことはありませんでた。子供の頃コ―ヴェア・モンツァGTというミニカーを買ってもらったとき、ソリッドの赤と銀メッキの2種類がありましたが、与えられたのは後者でした。

そんな大人たちの思惑とは裏腹に、体表色に関わらず真っ赤なマントや赤いマフラーが出てきたり、極めつけるように秘密戦隊でセンター位置づけになる「赤」と、男女関係なく強さや正義やなんやらのヒーローカラーに赤が定着しました。が、自分が大人になって学んだことの中に「赤い炎は燃料が酸素不足により正常に燃焼できなくなっている状態」という知識(ガスコンロの燃焼の話)。炎というのは本来「青」だったのかと混乱するわけです。

燃焼はその対象によって発光色が変わります。花火の色がそれで「炎色反応」と呼ばれ、赤はストロンチウム化合物やカルシウム化合物、黄色はナトリウム化合物、緑はバリウム化合物、青は銅化合物の燃焼です。混乱の第2陣はその温度。「色温度」といい、赤が最も低い約1500℃、黄色が約3500℃、白は約6500℃、青で約10000℃以上。赤いヒーロー、たいしたことないじゃんなんですが、最初に立ち戻るとロボコンの赤は「ロボ根性」の表現。意外と平和な赤でした。

Singing Ship on ShellPerson

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「歌う船」は、60年代に発表されたアン・マキャフリーの短編SF小説。僕は70年代後半に、物書きの師匠から教えられて読んだことがありました。肢体不自由児として生を受けた赤子が適性試験をパスし専門教育を受けたのち、殻人(シェル・パーソン)として人工の体を与えられ就労するという内容です。主人公ヘルヴァは、宇宙船の制御デバイスとして任命され、ブレイン・シップXH834に生まれ変わりますが、歌が好きな彼女の声と趣向が広まり「歌う船」と呼ばれるようになります。

僕が十代の頃に読んだものは一冊に6編がまとめられたものでしたが、この小説にはあと2編が執筆されていて、それぞれ異なる本に収録されていたそうです。今はそれらを全編収録し、翻訳も新たにした完全版となっています。雰囲気だけ言うと過去の翻訳の方がいろんなところに気を配っていたかなあと感じますが、あの時代の女流作家はこんなに優しく冷たく過酷で斬新なSFを書いていたのかと、再読して思ったりしています。本の装丁もずいぶん現代的になっています。

特に根拠のない日取りなので

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「うる星やつら2ビューティフルドリーマー」が1984年2月11日、「風の谷のナウシカ」が同3月11日の劇場封切り。なんだ今頃そんな話を持ち出して。と突っ込まれても仕方がなくて、40年も前のことで正直忘れてたんだよーと言うしか無いのです。が、あらためて知ってみれば随分と近いところで「空とぶ少女」が(ラムには前作「オンリー・ユー」がありますが)スクリーンに登場していたのだと思わされます。

 

2人が飛ぶ原理はそれぞれ異なるものの、宇宙人よろしく重力を楽観的に無視できたり、道具と技能で揚力を巧みに使いこなしたりしながら空に舞い上がる姿は、原画、動画の腕の見せどころです。その動きに魅入られ、現実にメーヴェを作って飛ばしちゃった人もいるから、あと100年もすればラムの浮遊を再現する人が現れるかもしれません(100年でやれるかどうかは定かでありません)。オチが付きそうもないので、本日「空の日」。なんで今日が「空の日」なのかという根拠は無し