Trend-Blue

  ~懲りない傾向~

大団円のループ

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発売日から一週間近く経ってしまいましたが、ようやく雑誌を手に入れて、安彦良和さんの「機動戦士ガンダム THE ORIGIN」の最終話を目にしました。細部の小道具と流れに変更を加えながらも、ウン十年前のテレビ放送、その後の映画のとおりの大団円で幕を閉じていました。

さあこのあと次号から「無敵ロボ トライダーG7」が始まるぞ? などというわけはなく、なんと同じ号から北爪書き下ろし版Zガンダムが掲載開始という、やれやれなつなぎ方をしています。まったくさ、情緒もへったくれも無い。

ORIGINの連載が始まったころ、安彦さんの年齢やその当時の病み上がりなどから、こんなのやめてくれよと思ったのです。当時読んでいた「ナムジ」「神武」など、彼の古事記ものが、アリオンよりも面白かっただけに、そっちの方面に行ってほしかったし、そっち方面よりも、まつろわぬ者の方向に行くかもしれないと期待していた「韃靼タイフーン」を長く続けてほしかったのです。

が、「韃靼タイフーン」はあっけなく打ち切りになっちまいまして、ちょこっと「蚤の王」で古事記編を楽しませてくれた後に、ガンダム。これはこれで楽しませてもくれたり、がっかりもさせられたりするわけですが、スタートしたころの読みでは、5年くらいやるんだろうけれど、その5年でどれほどスタミナを消耗するんだろう? これと引き換えで何本くらい、お蔵入りしたんだろう? などとも思ったのです。

そしたら、10年も描き続けちゃうとは。

まあそれでも、大団円です。もうこの先は無い。Z? 別の人が描いているそんなのはどうでもいい。安彦さんの漫画では、知っているシーンやせりふのおさらいではなく、次の展開どうなるんだ? という、見たことの無いお話を読みたい(そんなら古事記のシリーズもだめだったんじゃないか?という突っ込みは、この際なしです)

そう思って安堵しようとしたら、この「THE ORIGIN」のアニメーション化が決定だと? なにを馬鹿なことをゆってんだよ・・・ 媒体の異なる表現手法だったから認められるものだったのに、これをアニメにするというのは禁じ手破りじゃないか。

太陽の牙?(違)

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でも火器管制システムなんかはついてません。もちろんど突いたり殴ったりなんて操作をしちゃいけません。

謎のTB1号カタパルト

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何をどう企画されようとも手を出さなかったディアなんとかの配本に、とうとうつかまってしまいました。「サンダーバード」は、実はDVDボックスを持っているのですが、今回のディアなんとかのやろー、「ジェリー・アンダーソンの世界」と銘打ち、「キャプテンスカーレット」「海底大戦争スティングレイ」「謎の円盤UFO」「ジョー90」をまとめてきやがりました。むむむ・・・「UFO」は・・・これは欲しい。って、はっきり言って「UFO」だけが欲しいなら、そのDVDボックスを中古で探して買ってきた方が、安上がりじゃねーかと。

 

わかっているのだけれど、5作品トータルで考えて妥協してしまいました(全54回だってよー。かなりかさばるんじゃないか?)

というわけで少し前のことですが、第1巻を買ってみたわけですが、どんな世代の人がこのデータブックとなるファイルの編集をやっているんだろうなあ。まずNHKでの本放送を当時オンタイムで見ていた世代じゃなかろうなと思いながら、TB2号の内部図解にある原子炉のことを「安全型融合炉」なんて打ち換えちゃうのが時代の哀しさかと感じます。

その描写に関しては極めて楽観的な描き方が目立ったものの、サンダーバードは、幾度か原子力災害にも出動していて、科学万能論に対するアンチテーゼもうたっていました。国際救助隊もまた、TBメカニックの動力には原子力を使っており、使っているからこそ運用のリスクを背負っているところに、パラドックスとリアリティが感じられました。今回、最新の図解を見て思ったのだけれど、60年代にも「安全型融合炉」なんて言っていたのかなあ?

でもってその話は長くなるので割愛。いいトシこいて何度も見ていて、今さらこれに気がつかなかったのかとこっ恥ずかしい思いなのですが、TB1号の発進シークエンスは、2号、3号とともに、日本の特撮番組に多大な影響を及ぼした名シーン。孤島のトレーシー邸前面にあるプール(子供のころ読んだ雑誌には、ひょうたん型プールと書かれていた)がスライドして、発射サイロを開くのはいちいち説明する必要もありません。

発射までの流れを挿絵でポイントだけ押さえてみました。1号はトレーシー邸リビング、つまり指令所の壁の向こう側に格納されており、長男スコット・トレーシーは直立している機体に乗り込み、その搭乗ハッチのある側から、サイロに向かって斜行エレベータで降下と同時に水平移動していきます。このとき機体はリビング・指令所の真下をくぐってサイロへ向かっていくのですが、斜行エレベータにはターンテーブルもそなわっているらしく、サイロのフロアに降りてくる途中で、機体の向きが90度回転しているのです。

なんで? ってそれはまあ、テレビ映りの見栄えの話なのですが、こういうところに科学的な解釈など必要なかったのが、60年代だったのですね。これが、アムロ・レイがホワイトベースのブリッジからモビルスーツデッキまでどうやって移動するのかという話になってくると、そんなのどうでもいいじゃんとはいかなくなる。

でも、TB1号はなぜ機体を回転させる必要があるのか。この回転時に外観からの最終点検をやっているのか? 単にサイロ開口部のプールの形状に、機体の前面投影面積を合わせる必要があっただけなのか。

実は設定を知らないだけなのかもしれませんが、僕の中では謎なのです。

健在なり

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青森県の「床屋さんのガンダム」は、その筋では有名なハンドメイド(コンクリート製)オブジェですが、3月の震災で壊れちゃったかもしれないなあと気になっていまして、青森県での仕事が入ったこともあり、その足で見に行ってきました。

・・・壊れるどころか増えてるし!

しまった、車を停めてよく見学してくるんだったよ。

 

街道の車の流れにあわせて走りながらの一瞬だったので、奥の方のアッガイの存在には気がつきませんでした。ファインダーも覗いていないから、写っていただけマシなんです。

さらにこんなのも展示されていました。

前回見に行ったのがガンダムが完成した2年前だから、増えていたのは驚きですが、造り続けていらっしゃるところがすごいです。

勇者vs勇車

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vsなどと、わざわざ銘打つこともないのですが、一年ほど前に、全く知らないもの同士が偶然にも、同じ素材を手に取っております。1人は漫画家の長谷川裕一さんで、勇者ライディーン35周年という看板を背負っての「ゴッドバード」の連載が始まりました。

いや、こんな書き方をしていますが、実際にはどこの雑誌に載っているのかも知らないのです。未だに、です。例によって単行本を書店で見かけて知ったというのが正直なところでした。

 

その頃、こんな漫画連載が始まっていることも知らぬまま、というよりは実際にはもっと前に、「バイクからロボへ」の変形造形について、「雑兵とマジョリティ」の早瀬五郎さんにリクエストをしていたのであります。その当時、五郎さんは「変形スカイゼル」に取り組んでいましたから、すでに3年前です。その後、バイクからロボへ変形するための基本シークエンスがまとまり、CGとしてコンセプトが語られたのが、昨年でした。

「スカイゼルが、航空機、ミサイルという変形を果たすコンセプトから、設定身長が大幅に大きくなってしまいました」

スカイゼルの造形にあたって、五郎さんの悩みはそこにありました。前作のグランゼルも、設定身長と変形する対象の件から、オリジナルよりも大きなものとなっています。車からロボですから車の大きさには当然なるわけです。これが航空機となれば、スカイゼルは言わずもがなです。

「デザインはロボから入ったとしても、その大きさのことを考慮しないで済むもの。変形前後のあっちとこっちが、誰でもわかりやすいものとして、素材はバイクから始める」

この提案をさせていただき、素材には「勇者ライディーン」に登場していたスパーカーを取り上げることは、最初に決まっていました。何に変形するのかって、そりゃもう、ゴッドバードしかないじゃありませんか。ライディーンなんかに変形したり巨大化させたりしなくていい、あくまでスパーカーが飛行形態に移行する機能を持たされた。というコンセプトで、この計画はスタートしたのです。

今回、別のロボ造形が完了し、五郎さんのメインの仕事がこの変形するスパーカーに固定されたことから、五郎さんのブログにも専用カテゴリーが立ち上がりました。名付けて「ゴッドスパーカー」。ベタなネーミングですが、それは僕が付けたからで、五郎さんのせいではありません。そしてカテゴリーが立ち上がった時点で、変形シークエンスはすでにCGではなくモックアップの段階にまで進んでいます。どんな仕上がりになっていくかが楽しみです。あっ、でもこのバイクの基本設定を、グランゼルのときのように肉付けしなくちゃいけないんだよ。

ここは深読みするところでしょうか?

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山形限定という根付け、のバリューよりも、ウルトラセブンが自らの向かい武器で米沢牛を切っている容姿に、れいんさんが気に入って購入していました。カットにつかっているのがアイ・スラッガーだというところが、米沢牛であるだけでない「米沢特化」と思わされるのは、深読みしすぎですか。

「えー? ちがうでしょー。だってアイ・スラッガーのアイは、ウルトラ・アイのアイ、なんじゃないの?」

 

れいんさんはそう言って否定するわけですが、否定している時点で「愛・スラッガー」という字面をイメージしているわけですから、たぶんきっと、この根付けデザインを考えた人の思惑にのっかっちゃってますよね。

しかし、すると、この左手に持っているのは、さしずめウルトラフォーク?(それはマニアックすぎる)

2ストの逆襲の拾遺

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今さら気づくのが遅いよと言われてしまう、仮面ライダー1号、2号のニューサイクロンに生じている、同型でありながら実際には仕様の差異に、今後のスピンオフを期待してしまう自分なのであります。

今年公開されている「レッツゴー仮面ライダー」では2号ライダーが使っている車体は、往年のライダーマシンに対して、車両協力を続けてきたスズキのバイクがベースとして復活しています。写真は2年前にオールライダー勢揃いとなった「仮面ライダーディケイド」映画のシーンで、ここでは1号が乗っています。

写真に基づき、1号のニューサイクロンを紐解くと、これがたぶん、スズキRM250あたり(125じゃないよね?)をベースにしており、エンジンは水冷2サイクル単気筒。年度モデルは異なりますが、仮面ライダースーパー1が乗ったブルーバージョンで、ベースマシンとして使われたことがあります。モトクロス競技用車両としての実績を重ねてきたバイクで、スーパー1の撮影時には瞬発力とサスペンションの性能が上がり(それ以前のベースマシンに対して)、スタントシーンでも驚異的なジャンプを見せたという逸話があるそうです。このブルーバージョンも、番組後半では4サイクルエンジンのSP370にスイッチされています。

1993年のオリジナルビデオ?「ウルトラマンVS仮面ライダー」にもRMベースのニューサイクロンが登場していたとのことですが、その車体と2009年以降の車体が同一かどうかは、年次差から考えて、疑ってかかかった方がいいでしょう。その後オートレースのCMにも、パチンコのCMにも登場しているようですから、それらの車体が近いのかもしれませんし、今回何度目かのRM採用なのかもしれません。しかしベースマシンでホンダ勢力圧倒的な昨今、XRの1台くらいけちけちするとも思えないわけで、2009年に2台のXRベースが用意されなかったということは、RMベースの車体が残っていたと考えていきたいところです。

排ガス規制や環境課題への対策から、2ストエンジンは生産が終了していき、4ストエンジンへと移り変わってきたのが自動2輪の世界。今やそれでもパワー・トルクの出方には遜色のない性能が安定しているし、なにより市販車そのものが、旧サイクロンを凌駕する最高速度を引き出してしまう世の中です。わざわざ原子力エンジンを搭載などと、見え透いた嘘をつかなくとも、仮面ライダーのマシンは成立してしまう。それでも、うねったチャンバーと、独特の鼓動は、別の意味で郷愁を誘うところがあります。

仮面ライダーの世界で、2ストだ4ストだという市販エンジンのことを語るのは、世界観の設定上、無理があるのは承知なのですが、ニューサイクロンだけに限って言うと、一部の客演マシンを除いて、ベースマシンはTS250の3型(実はライダーマンマシーンは4型に進化している)でしたから、これが代替わりしている。考えてみれば40年もショッカーたちと戦っていて、ニューサイクロンからこっち、愛車をフルモデルチェンジさせていないのが、彼らの不思議なアイデンティティーです。しかしTSからRMへ、メーカーをまたいでXRへと、中味を変えている。その2台のうち1台が、依然として2ストのエンジンを搭載しているところに、本郷猛と一文字隼人、あるいは立花藤兵衛の思い入れを探してみたくなるのです。

2ストの逆襲(いや今さらなんですが)

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平成仮面ライダーのスーパーバイクと言えば、一部を除いてほとんどホンダ・・・って言い切っちゃうのはスーパーマシンとしての存在意義面からアレなんですが、ベースマシンがホンダ製です。

いやしかし、一部はそろそろじーちゃんになっているかもしれない、おとーちゃん世代にとっては、仮面ライダーのマシンにはSUZUKIの刻印やエンブレムが付いていたのだ(ついていないのもあったり、中にはハーレーに乗っていたやつもいたのですが)、車両提供とか協力のクレジットもあったのだ。と、郷愁を抱くのです。

そんなこんなで40年め。あのしょーもない映画を見ていておや? と違和感を覚え、ライダーとバイクなら僕以上にマニアなバイク乗りの友人に聞いてみると、「ネット上の予告編を見ろ」と鼻であしらわれたので見直してみました。するとやっぱり、2号ライダーが乗っているニューサイクロンには、ぼてっとしたチャンバーがくっついているではありませんか。

「なにこれ、ひょっとしてRM250かなにか?」

『そうだよきっと。でも今頃何を言い出すんだ? このサイクロンなら2年前のディケイドの映画でも出ていただろう。そのときは1号が乗っていたけど』

「なんだとー? すると2スト・・・というかSUZUKIの逆襲は2009年に始まっていたのか」

『そうじゃないよ。もともとこのサイクロンは、93年のウルトラマンVS仮面ライダーのときに造られた小道具らしいから』

「な、なんだそのふざけたVSは」

『そこまで解説させられるのはめんどくさいからいやだ。とにかく見比べたかったら、ぴあムックでお前が怒っちゃうようなへたくそなCGのライダー写真集が出ていて、後ろの方に2台とも写真が載っているよ。それから念のために言っておくけど、昔の2号のときから出てきた改造サイクロンなんかには、ホンダのバイクも使われているからね』

というわけで、2ストのニューサイクロンを1号新(便宜的に)とすると、ディケイド映画の際に2号新(前に同じ)が、XR230かなにかで新造されたようです。カウル全体のフォルムも、マーキングも含めて似ているようで別の形でした。どっちがどう好みかは甲乙つけがたいのですが、これでまた、ニューサイクロンに関してはスピンオフした物語が出てきちゃいそうです。

ミニチェア・・・売り出してくれないものかな。と思っていて気が付いたけれど、逆襲とか言っておきながら、2ストマシンと4ストマシンのサイクロンについて、なにも言及しないでいるなあ・・・

40年でも伊達は伊達

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アトラクションショーをスクリーンで見せてくれた。しかも決戦はつくばセンタービルの中庭だ(思いっきりなじみの場所じゃねーか)。こんな作り方の映画なんだから、評価なんかすることのほうが筋違いです。そう思いました。ため息も出ないね・・・

こっちでは観られない

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仮面ライダー40周年記念企画とやらの、突っ込みどころいっぱいながら観ずにはいられないだろうと思っていた「かの映画」が、宮城県においては被災の影響から封切館がないらしい。

な、なんということだ、宮城県は生みの親の郷里だというのに、これが40年目の仕打ちなのか。しかもよその地域も、計画停電の影響を受けると上映が延期されるか中止になるとか。これこそショッカーの陰謀か(それ不謹慎発言)

 

発災直後の週末、ツイッターなどにはあまたの名だたる正義の味方が現れ、誰にともなく激励を、力強くつぶやいた(力強くつぶやくって・・・なんだそれ)と聞きます。しかし仕事で一カ月ぶりに赴いた石巻の街を歩いて、偶像を拠りどころなどにはできないのだという現実を見せつけられました。この街で、そのツイッターやインターネットからの正義の味方のメッセージを受け取ることのできた子供たちがいたとしたら、いったいどんな気持ちになったのだろう・・・

少なくとも、いつかどこかで起きてしまうかもしれない災害の折、そんなデリカシーのないツイートはするべきではない。自分自身が被災したとき、きっとそう思うはずです。