と、言いたくてしょーが無いんだけれど、たぶんこの30年くらいでクロスカントリー性能とスタイリッシュな風貌との共有というニーズは稀釈されてしまい、クロスオーバーSUVと言っておけばもうそれで十分な時代になってしまった。ほかならぬエスクードそのものが、代を重ねるごとにユーザー側のニーズの変化に寄り添い続けることを恐れなかったと、前向きに評価してきました。それで良かったんだよと。
だけど、そうやって現役から退いたモデルのあとをジムニーシリーズが引き継ぐという構図に、まあ口惜しいやらなんやらの昨今なわけです。もちろんヨーロッパにおけるビターラやインド発のグランドビターラ、ブレッツァといった系譜は残されていますが、国内投入されていくのはBEVとしてフロンティアに臨むeビターラですから、ジムニーには即応できなかったエポックを開拓していくでしょう。
それらの源流原点となった初代はもはや過去の栄光なのか、それとも伊達ではない何かを認めてもらえたのか。でもエスクードのネームバリューはライトクロカンの分野ではなく、レーシングゲームに駆り出されたアレに持って行かれている気もして、そうじゃないんだという言葉も通じなくなって久しい。突出したものを持たず、しかしそれを裏返せばマルチパーパス性能とコストパフォーマンスに優れた小型車であったことが、本来の評価軸であろうと思います。