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  ~懲りない傾向~

白い弾丸

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1974年2月16日、長らく苦痛をもって(暴言)見ていた「仮面ライダーV3」の後番組となる「仮面ライダーX」が始まりました。1号ライダー風味に戻しながらも銀の仮面という姿は、顔の真ん中がミイラ然としていて気持ち悪かったV3よりもすっきりしていたことと、ベルトのライドルのデザインが良かった。深海開発用改造人間=カイゾーグなる設定は仮面ライダーの新機軸とはいえ水上バイクにでも乗るのかと思ったんですが、水空陸汎用オートバイが出てきちゃいました。

サイクロンやハリケーンと比べたらもう不細工なんですが、実はこの「クルーザー」にはその「ぶさかっこよさ」を覚えてしまい、模型を買って組み立てては不注意で倒してしまってレシプロポッドのプロペラを折ってしまって意気消沈した記憶があります。

白い弾丸とあだ名され、海中を進むことも水面上を走ることも可能なんだから空だって飛べちゃう優れものなのに、なんでレシプロエンジン括りつけてるんだろう?と首をかしげもしたのですが、フロントカウルにこれがあるというのは、サイクロンやハリケーンの格納式ウイングに通じるものもあるなあと勝手に解釈しました。

何が楽しかったかって、50年前のスーパーバイクには、そういった謎の部分が多くて、自分で原理や性能を想像する余地もあったのです。

妖星ゴラスの世界

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1979年にその接近が確認され、82年に地球の軌道と交差することが試算された黒色矮星ゴラスは、大きさこそ地球の4分の3ながら、質量は6000倍を超えるという凄まじい危機を人類に突きつけました。世界は大混乱に陥りながらも一致団結を見て、南極に推進機関を設置し地球の軌道を変えるというこれまた凄まじい対策を試みるのですが、社会に対してゴラス接近・衝突の可能性が情報解禁されるのが1月23日。最接近が2月13日あたりとなってはもはや一般人どうにもならない状況。

ゴラス接近の影響や、推進機関へのエネルギー圧送の熱による南極温暖化で怪獣が覚醒するなど最後の最後でごたごたが伴い、軌道変更に遅れが生じて東京は水没してしまうのですが、地球をずらすという前代未聞の計画はなんとか成功し、ゴラスとの衝突は回避されました。

実際の1982年って、上半期は確か事故や災害が相次ぎろくなことが起きていませんでした。それでも妖星の出現はなく、東京水没も免れていたので、42年後の今日があります(妖星ゴラスは1962年の東宝映画)

 

dilemmaは終わらないどころかカカラナイ

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なんてことしやがるんだの「仮面ライダー555 20th パラダイス・リゲインド」が、関東地方で唯一、うちの地元では上映されないという理不尽。初代スマートレディーの出身地だぞ! あーわかったよ観になんか他県にだっていかねーよ! とまあ憤慨しているところです。もっとも相変わらず脚本書いてる人も嫌いなんで、観なくたってわかっちゃうずらずらと出てくる、かつて戦線離脱していった顔ぶれの復活の理屈や設定が、どんなにドラマを描いていようとも都合よすぎで云々です。

2003年に「555」の第1話を見たとき、あら少しはましな物語を作り始めたかなと思ったのは、ロードムービーのような手法で九州から物語を走らせたことでした。そのまま全国放浪の旅が続いたなら絶賛したんですが、そんな予算獲得や役者の拘束は無理なもの。ラストで再び旅が示唆されるも主人公は余命の無い運命だったはず。あれか、存続しているスマートブレインで延命措置を受けたか。あのへんてこなNEXTなギアもきっとオリジナルを出すための狂言回しに違いない。

走り始めて半世紀過ぎてますもんねえ

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童話作家のあまんきみこさんが、知らぬ間に「車のいろは空のいろ」の新巻を出版していたというので、「なんてことだ乗り遅れたぜ!」とばかりに注文しました。第4巻めは2022年11月に発表されていたのですが、このタイミングで2度目の新装版として、全巻BOXものが売り出されており、こちらを入手したのです。このお話は小学生の頃に教科書に載っていたものが初読みでした。そのあと図書室で同書の1冊めを見つけ小躍りしたものです。

しかしこの新装版を見るなり「ななななっなんですとーっ」と驚愕するのでした。なんと主人公の松井五郎さんが走らせている空色のタクシーが、セダン(下の写真が新装以前のもの。画家も変わっています)ではなくハイトワゴンに変わっているではありませんか! うむむ・・・1965年が初出で68年に出版された本ですから、松井さんのタクシーもモデルチェンジしなくてはならないほど走り続けてきた(松井さんいくつになったんだろう?)ってことですねえ。

第1コーナー後の明暗

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1984年2月3日に放送が開始された「超攻速ガルビオン」は、戦闘機に代わってスーパーカーが3段変形(後述の理由により中間形態は登場せず)するロボットアニメで、自動車が超絶的に進化する世界観の用意や、キャラクターデザインに当時人気漫画家のたがみよしひささんを起用するなど何か起きそうな予感をもたらしました。まあその期待は第1話のクオリティでかなり削がれるんですが、スポンサーの玩具メーカーが5月に倒産しあえなく打ち切られてしまいました。

ガルビオンことサーカス1その他の玩具に寄せていた期待も未発売という流れで打ち砕かれ、後年別メーカーからリリースされたもののもう模型作るの億劫だったし更に後から出てきたものは高額だしで、縁がありませんでした。

ガルビオン放送開始に1日遅れること2月4日には「重戦機エルガイム」が始まっています。こちらはガルビオンとは別メーカーの倒産によって、企画段階でスポンサーが変わった幸運なロボットアニメ。変形こそしませんがフレーム骨格の要所に合金を使って低重心制御と可動の自由度が飛躍的に向上した玩具が登場しました。このハイ・メタルものはバルキリーのように続々とバリエーション展開はせず、やはり変形や合体には一歩及ばなかった感があります。

しかしエルガイムはそれまでの巨大ロボのデザインとは一線を画し、洗練されたフォルムとシンプルなマスクに好感度がありました。バルキリーとてあの頭部のごつさは戦闘は形態では違和感丸出しだったのです。この番組でも幾多のヘビー・メタルが登場し、やっぱり変形だとマークⅡが繰り出されますが、エルガイム自身の流麗さに敵うものはありませんでした。

両作品とも40年前の出自ながら、現代でも通用する魅力を携えています。

意欲的でちぐはぐなヒーロー

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インベーダーの奇襲で冒頭から部隊全滅という幕開けは「秘密戦隊ゴレンジャー」を彷彿とさせましたが、番組のフォーマットは視聴層の高年齢化を意識してか、装備も銃火器も特殊車両もリアル志向に振っていたのが「ブルースワット」の洗練されたところ。バイクのカウルにも専用車にもアウターロールケージを括り付けるかっこよさがありましたが、全体的には地味ヒーローなのです。インベーダーの着ぐるみがぶよぶよに不細工だし、無理が祟った脚本の梃入れが最悪。

後半、この特殊車両ストライカーも主役のショウもパワーアップして明るい色彩にマイナーチェンジするものの、その力を与えにやってきた宇宙人がもうヘンテコ極まりないうえに毎回の登場がバンクフィルムで尺の無駄だ(制作側にとっては尺の稼ぎですが)と、失速を食い止めようがない。1984年1月30日の放送から本日で40年になりますけど、こういうのは今リメイクしながら、それこそ東映ヒーロータイムから切り離せば案外行けるんじゃないかと思います。

 

闘将の最期から45年

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俗にいう「長浜ロマンロボ三部作」という、故長浜忠夫さんが手掛けたロボットアニメがある中(意外かもしれませんが長浜巨大ロボアニメは5作品しかない)、合体のコンバトラー、ボルテスに対して単機変形の「闘将ダイモス」は、45年前の1月27日に最終回を迎え、「何がロマンだ愛だこのやろーっ、俺はそんな演出大嫌いだーっ」と生意気なことを言っていた少年(僕のことです)の留飲を下げたのです。まさか翌週から「踊る戦隊もの」が来るとは思わなかったけど。

そのような嫌いなアニメながら、バカでかいトレーラートラックがヒト型に変形する玩具の方は、余剰部品を多々残したものの変形前のボリューム感や武骨なスタイルが気に入っており、後に見つけたジャンク品が「木星軌道上の人工天体内で自沈した」イメージをよく表してくれて今でも手元に残してあります。これが2008年に超合金魂としてリメイクされると、やたらとすっきりしていて拍子抜けしたのですが、ロボ形態重視なので仕方がなかった。

ダイモスの手足を格納した「トランザー」は、全長が不明です。ダイモスの全高が45mという設定なので、脚部を伸縮収納した分で推測すれば、トランザーは約40mもの巨体になる。旧ポピニカDXと超合金魂とでは変形機構が全く異なります。旧作は45年前の技術として見てもなかなか優れた、要はトランザー形態重視の出来栄えでした。番組もダイモスではなくトランザーで最期を描いていたし、そこが生意気な少年の琴線に触れたのかもしれません。

旧作のトランザーをもう一度見直してみると、第一印象で「超合金魂よりも超合金トイになっている」という点がわかります。ただし設定上ダイモスになると体内のあちこちが空洞化するので、そんなんで格闘戦できるのか?という疑問も出ますが、ロボでなくトレーラー時の見映え優先は、所詮変形したところで流麗な姿のロボにはならんと、割り切りきった判断を通してしまう(多分そんなことじゃないかなあと想像)デザイナー・村上克司さんの秀作です。

 

五番目の月着陸

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話題にするのが出遅れしてますが、JAXAの無人探査機「SLIM」が20日午前0時20分あたりで月面着陸を果たしました。昨年9月に打ち上げられていたもので、やはりJAXAが申請し国際的に命名認証されたクレーターSHIOLIにほぼピンポイントでの着床を成功させています。日本初と同時に世界で5番目の月着陸となり、技術的にも着陸精度の飛躍的向上が話題となっています。ランディング方法も4脚の後ろ側2脚を先に着床させ、あとから前2脚を降ろすというユニークな手法がとられました。

この着陸、2015年にリリースされた「宇宙兄弟26巻」で、南波六太が月着陸ミッション時のトラブルで傾斜してしまった着陸船を立て直す際、着陸船に組付けられていた多脚走行装備を駆使して支えきり着陸船の転倒を防ぐというリカバリーによく似ています。「SLIM」の方はあらかじめ「転ぶように」と説明されています。するとこれは、2015年以前から、探査機の着床技術としてプランに乗っていたものが、先んじて「宇宙兄弟」に採用されたということなのかもしれません。

「宇宙兄弟」の時系列における2024年では、まだ六太は宇宙飛行士ではなく自動車メーカーの開発部所属で、彼がデザインしたクルマが賞を獲得する年回り(来年、上司に頭突きを食らわしクビになります)。弟の日々人が初めて月へ打ち上げられるのもさらに2026年まで待たねばなりません。その間、現実世界でも月へ再び人類を送り込むアルテミス計画の一環ミッションが準備されていて、「SLIM」もまたそのための橋頭保を築いたことになります。

 

これがNewGenerationの威力なのか

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昨日、「ウルトラマンブレーザー」が最終回にしてテレビ放送の大団円を迎えましたが、第1期ウルトラをリアルタイムで知る身にとって、それよりも若い人たちが半世紀にわたるウルトラを咀嚼して作り上げるとこうなのかと、眼を見張り膝を打ち続けた半年でした。ニュージェネレーションという言葉は「ウルトラマンゼロ」以来の「ウルトラマンに与えた称号」と思っていましたが(実際そうなんだけれど)、これは作り手にこそふさわしいなと感じます。

縦軸を三通りも持たせながらその一つである「このウルトラマンは何者なのか」についてはあっさりとうっちゃり謎のままありのままの、全体を通して尺がもったいないから余計なことは描かない作風は、なるほど作り込んだ「初代」や「セブン」と比べると一見煩雑ですが、必要なものを何一つ落としていないばかりか、登場人物を一人たりとも粗雑にしていないところが素晴らしい。もちろん「ブレーザー」が今後のすべてのフォーマットになるわけではありませんが。

その一人であるミナミ・アンリ隊員役の内藤好美さんの演技は、場面ごとの表情の出し方、視線の動かし方と、脇の脇に置かれていても実に細やかな芝居をしていて好感度が高いです。聞けばドラマはほぼ初登場の人とか。もったいない、あと一クールくらい見ていたかった。てことで、わかりましたよこのあと予定されている劇場版も観に行きますよ。彼女の「やっぱみんなノーコンだと思ってたんだーっ」のセリフが聞けるというアースガロンの玩具も予約しましたよ。

あ・・・ヒルマ・ゲント隊長については映画観てからの感想で行きます。

初観音の亡者送り

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毎月18日は、観音菩薩との結縁日にあたり、1月は初観音と呼びならわします。全国津々浦々の観音様を祭るお寺でほぼもれなく行われる縁日のうち、浅草寺では12日からこの日まで「温座秘法陀羅尼会」という除災招福の秘法が修法され、そのほとんどが非公開ながら18日最後の「亡者送り」のみ見学できます。これは松明を持った鬼役の2人が境内を巡り、銭塚地蔵堂脇に掘った穴に松明を投入するもので、参列者は松明の燃え殻を火除け厄除けの縁起物として拾うものです。

浅草寺の本尊である聖観世音菩薩は江戸時代に今の隅田川で漁師の網にかかって現れたという伝承があり、この日が3月18日であったそうです。悪魔封じの行事は本来五穀豊穣を祈願するものですが、1998年には意外なご利益をもたらしており、隅田川を遡上するテロリストの4足歩行レイバーが吾妻橋から上陸し、特車2課第一小隊のレイバーを撃破しつつ雷門通りをのし歩きながら、雷門にはまったく危害を及ぼさず国際通りへと誘き出されていきました。

・・・なんのこっちゃ? というと、

「上陸地点は吾妻橋の浅草側。このあとお客さんを国際通り、言問通り経由で上野公園までご案内する」
「というわけで、はなはだ簡単ではありますが、これが今回の話の関連地区図であります」
「なるほど! 広い上野公園に誘い込んで迎撃作戦を行うのね」

などという捕り物が繰り広げられていたのです。

これがたぶん98年3月頃のこと。18日だったかどうかは定かではありません。