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  ~懲りない傾向~

熱血だった時代

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千葉でなくて水戸だしね

三期12年にわたって千葉県政を舵取りしてきた森田健作さんが、本日付で退任となります。知事就任の折、仕事柄インタビューを申し込んだら千葉県はお高く留まって「5分で」とかぬかしやがって、「それだけの対話で公の場に原稿が活字になって表れて、知事の品位を逆に下げてもいいならそれでやりますが」と応酬したのが一昔前のことです。前知事の堂本さんだって30分は割いたというのに、結局15分で軟着陸して5分オーバーさせてやりました。

あーいや、県政とその後の話はどうでもいいんだ。なんで森田さんなのに水戸市の挿絵を出しているかというと、これが50年前にさかのぼるのです。

放送は71年の秋になりますが、当時森田さんが主演していた「俺は男だ!」で、剣道の全国大会が水戸で開かれ、青葉高校剣道部の面々が神奈川県から遠征してくるのです。ところがいろいろあって、試合当日、森田さん演じる小林弘二は肩を脱臼していて、結果的に負けるという展開。竹刀一本で同好会を打ち立て、共学化していたけれどウーマンリブ風潮で女子優位だった学校に新風を巻き起こしながらの、挫折の瞬間が水戸の街に待ち受けていたのです。

これは尾上茂さんの所有車

ここでなんだってLJ10が挿絵に出てくるかというと、弘二の肩を脱臼させた級友にして強敵の、西条を演じた志垣太郎さんが、これと同型のジムニーに乗って、仙波湖の辺りを走るシーンが出てきて、おそらく僕が初めて見るジムニーの姿がこれだったと思われます。えっ、高校生でクルマ乗ってるの? しかもデビューして1年程度のジムニー!というところは、西条くん不良で1年留年経験の転校生という役(なんと銀座でスナック経緯している)。水戸市から大洗町だったか那珂湊市(現ひたちなか市)だったかにある(設定)実母の営む喫茶店に赴いた帰路、ジムニーが故障して弘二が迎えに来てその場で行きがかり上決着をつける決闘になり、蹴りを入れられ肩を痛めてしまうのでした。

「俺は男だ!」は、80年代に映画化され森田さん主演での「完結編」を描き、船乗りになっていた弘二が青葉高校に呼び戻され、荒れた校内を鍛え直してほしいと依頼される。教員免許関係がどうなっていたか忘れましたが、あの学校は私立だったはずだから、講師扱いか。弘二は持ち前の熱血で挑みますがしらけられて相手にされないながらも、一部の学生には興味を持たれて、彼等に接するために自動2輪の免許を取りに行きます。

居るのは霙です

この教習所が、後に霰や霙の通った笠間市内の学校です。しかし突っ込みどころがあって、まったく適性が無く原付の免許しか取れなかったオチがあるんだけれど(ちなみに教官は笑福亭鶴瓶さん)、高校時代の水戸遠征の折、学校に内緒で水戸市内の宿泊先から大洗(那珂湊?)決闘の場所まではオートバイで来てたじゃねーかと。

そういえば西条編と水戸遠征は、津雲むつみさんの原作には無い脚本でした。熱血の時代と、地元がほんのわずかに出会う回。ついでにジムニーを初見していた半世紀前のお話です。

 

世界の平和を守るため

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「仮面ライダー」の第1話を、実は僕はリアルタイムで見ていません。なぜかというと当時、茶の間のテレビのチャンネル権は大人にあり、その中でも金曜日に放送されていた、しかも「仮面ライダー」放送開始の前日から始まった「帰ってきたウルトラマン」の権利を獲得できたため、土曜日の枠は得られなかったからでした。そんなわけで祖父母とともに、太平洋戦争を描いたアニメーションの「決断」を見せられたのです。「帰ってきた~」の前にあった権利は「謎の円盤UFО」でした。

しかし祖父母は様々な手段を駆使して、やれ風呂に入れとか布団を敷いてこいとか僕の背中をたたき、「8時だよ全員集合!」にチャンネルを変えるという暴挙に出るのですが、それに抗えない子供の悲哀。要するに翌年、「ウルトラマン見ていいんだから仮面何とかはだめ」と宣告されてしまったのでした。

偶然にも、その祖父母が旅行で不在の時、テレビを占有できて初めて見たらば、画面では一文字隼人が「お見せしよう、仮面ライダー!」などとしゃべっているではありませんか。ですから本郷猛を見たことのないまま、「仮面ライダー」と邂逅するというかなり間抜けな展開であるばかりか、それを補完するために読んでしまったのが漫画版の「13人の仮面ライダー」ですよ。本郷猛、ショッカーライダーに射殺されちゃってるじゃありませんか!

自分の中では大混乱です。見かねたお袋が自分の洋・和裁作業部屋にモノクロのテレビを設置してくれて、一文字編をなんとか見始めました。それはそれで、茶の間に孫がいないと不機嫌になる祖父母のプレッシャーも受けることとなるのですが。

ところがこの年の年末、祖父母はありがたくも温泉に出かけて年越し。つまり72年の元旦に放送された「死斗! 怪人スノーマン対二人のライダー」をカラーテレビで(笑)、リアルタイムで見ることができ、ここで初めてテレビシリーズの本郷猛と巡り合うのです。後に後楽園(まだドームじゃなかった)で、アトラクション会場に置いてあった本物のサイクロンを目にした時の感動ときたらもう、書き出したらパニックでしょう。そんな紆余曲折から、とうとう50年ですよ。

だからってこうくるとは!

仮面ライダーシン(真=真・仮面ライダー 序章)の立場がないじゃん。というより、もはや「シン・」ブランドは歯止めのかけようがないモンスター化の道を這い出しているような雰囲気です。「シン・」つけちゃえば埋もれた遺産をどんどん発掘できるかもしれない。って一瞬、「シン・さよならジュピター」って不謹慎にも思っちゃったよ。

と思っていればこんなことに!

なんだかこう、ここまで乱発が続くと原作者が怒って化けて出てくるんじゃないかって気がしなくもないです。「シン・」ブランドと同様、この路線が使えるのなら「人造人間キカイダー・02」「ロボット刑事・K」「雷神・イナズマン」「見参!変身忍者嵐」なんて論法も可能だよなあ。

 

遠く離れて地球にひとり

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新ウルトラマンが地球に帰ってきた日から、50年が経ってしまいました。

初代ウルトラマンの時には僅差で「マグマ大使」にカラー放送初の巨大ヒーローを持って行かれましたが、新ウルトラマン(しつこいようだけどシン、ではないし、ましてやジャックなどと呼びたくない)は、約三年弱のお待たせで「帰ってきた」、正当なウルトラの星からの後継者なのです。でも第二次怪獣ブームの先鋒は「宇宙猿人ゴリ」に持って行かれました。

科学特捜隊ムラマツ班のサブリーダーというエリートではなく、地球防衛軍の防衛網をすり抜け隊員となってしまう元々宇宙からの戦士と異なり、新ウルトラマンが出会った地球人は平凡な自動車整備士。その青年のウルトラ戦士としての成長譚が軸になり、時には怪獣に敗退するし侵略者の罠にも陥る。夕日が似合うと言われながらも「なんだか弱い」と揶揄され、所属する怪獣攻撃隊も何かというと解散させるぞの恫喝を受けた部分がクローズアップされましたが、批評によると第一クールの大人っぽいシリーズ構成が「子供受けしなかった」ということらしい。

当時の記憶を絞り出して考えると、そうだったかなあ? と反論したい気分になります。むしろハヤタやダンは、怪獣や侵略者がやってくるステージに立たされた存在で、郷秀樹は逆にそういった舞台を与えられた中でどう立ち位置を示していくかを見せてくれていた。「人間ウルトラマン」であることが、ヒーローとしての存在感を際立たせたと思うのです。まあそれらは今の僕の言葉が紡ぐもので、子供時代の僕にとっては、ヘルメットも隊服もМATのマークも、全てがスタイリッシュでかっこよかった。

ビルの内部構造としては一部あり得ない科学特捜隊、大掛かりで見惚れたけれど「サンダーバード」を意識したことは間違いないウルトラ警備隊。もちろんそれぞれ、突込みよりもかっこよいシークエンスは大好きですが、МATの場合も地味になりながらもなかなか凝ったカットを差し込んでいるし、少数精鋭部隊を描くうえで、ウルトラホークのような超兵器からは一歩引いた、割とありそうな装備を空でも海でも表現しました。マットジャイロなんて、ティルトローター機は時代を先取りしていたのです。

国際平和機構の地球防衛庁という組織形態は、自衛隊を凌駕するかもしれない武装を日本国憲法第九条下においても運用できたことで、防衛庁(当時)を脅かす存在として疎まれた部分も多かったとみられます。その軋轢を、自らの上層部からあてつけられる姿は子供心にも納得できなかったけれど、それこそ進退を賭けて超兵器使用を阻止する「現場の意志」というのは、新ウルトラマンと同等に信頼を深める存在でした。

スポンサーの意向で「帰ってきたウルトラマン」でありながら、初代とは別人の新ウルトラマンとなった事情はあるにせよ、レトロフューチャーな前作と異なり、70年代に70年代を舞台にしたドラマを残したことが、今見ると古さを感じさせません。初代やセブンの頃よりはドラマが理解できる少年に成長した分だけ、僕にとっては臨場感を伴う番組でした。あれ? 50周年とか言いながら、ウルトラマンのことほとんど書いてないじゃないか。

 

デザインと中身の葛藤

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「機動警察パトレイバーEZY」は、再び近未来の時代を舞台に企画されていると聞きます。おおむね2030年代あたりがその舞台と言われていますが、越えなければならないハードルの一つに、「20世紀末に開発された98式AV」が、官給品とはいえ当時から運用する特殊車両2課も含めて予算を食いつぶす警視庁の盲腸ともごくつぶしとも揶揄された機体でしたから、どうやって運用コストを下げてきたのかという30年の歴史が無くてはなりません。

もうひとつは、その運用過程でレイバーの基本設計や性能も変わっていくだろうし、2002年(劇場版2)以降REBOOTの2016年まではともかく、その先少なくとも15年くらい、98式の中身自体が大きくアップデートされていなくては、零式やヴァリアントに続く新型機を尻目に稼働する(まあその逆を描くという手もありますが)必要もあるはずです。形は極力そのまま、中身を新設定するという話は織り込み済みのようではあります。

というところでパトレイバーの話ではなくなります。上記のように、30年以上を過ぎても「その姿が優遇され、最新の機構を与えられる」という話は、古いクルマに乗っている人々にとって羨望の的じゃありませんか。スズキの場合、2020年からパーツストックのあり方を大幅に見直し、供給できなくなる方向にシフトしているといいます。聞けばJB32等のアクセルワイヤを調達するのが段々困難になっているとか。それって対岸の火事ではないような・・・

マツダあたりはNAのロードスターやFCのサバンナに、レストアのためのパーツ再供給や整備のマーケットを切り拓きましたが、ジムニーシエラや初代エスクードくらいのネームバリューでは、巷の評価がメーカーに伝わらないのでしょうね。奇しくもパトレイバーEZYの2030年代以降はガソリン車やディーゼル車への風当たりが強まりそうだし。でも、優れたデザインは何千年経っても認められるものではないのかと、主張したいんですよねえ。

スラップスティックな彼岸明け

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よもやのタイミングで、ジムニー乗りだったうちの親父の没に続いて、ジムニープラモのデザインを手がけた大塚康夫さんが亡くなられたことを聞き知り、昭和が平成に代わったときにも手塚治虫さんがうちの祖父に付き合っちゃったよなあと思い出すのでした。実際には先週は回想なんてどころじゃないハチャメチャの我が家でした。

世の中はどんどん前に進んでいるようです。

ふゆびより、はるのとなり

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などと言ってる余裕もなく、天狗の森ではソメイヨシノがどんどん開花していますが、どのみち花見はできそうもない2021年です。

この山の一部は、僕の住む集落の共同所有地で、これまで名目上(地区のお付き合いとして)僕が親父から引き継いでいましたが、正式に相続することになり、登記の書き換えを始めました。

山林とか雑目とか畑・・・はたけ? ←全然記憶にも知識にもない・・・など、何筆かに分割されていて、地番もあるわけで、地番で分けられているということは、共同所有は「エリア」で、うちの所有区分は「ポイント」扱いで立ち入れる場所のようです。

なんと、解釈によってはテント持って行ってゆるくキャンプできる(かもしれない)という。

もっとも、野生動物との戦い以前に、そこに楽々と侵入できるかどうか、地番なんか見てもどのあたりかさっぱりわかりません。

森の桜山の辺りにはその一部があるようです。だからあそこに出かけて、スクーターやらスーパーメカニックの撮影をやっている変なおっさん(僕のことだ)がいたとして、職務質問されたとしても、今後は堂々と「俺んとこの土地だ文句あるか」と言えるようになるみたいです。

レッツ!・・・どんどこ踊りっ

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すっかり乗り遅れているフィリピン版「超電磁マシーンボルテスV」なんですが、メカ合体巨大ロボットのくせして後ろ姿がなんとも筋肉質レスラーっぽく描かれていたり、必殺技の天空剣スタンバイの描写が緻密だったり、ティザーを見たらものすごいクオリティでした。

その描写のカットはそりゃもう申し分ないのですけど、こっちのアニメーション版以外で、なんかどこかで見ていると、ずーっと引っかかっていました。

で、考えまして、考えまして・・・怖い考えになってしまった。

これですわ!

救急戦隊と未来戦隊

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どちらも2000年1月から2月にかけて新旧交代したスーパー戦隊でしたが、2001年3月9日に、彼等の共同戦線が実現した「未来戦隊タイムレンジャーVSゴーゴーファイブ」がVシネマ形式のDVDでリリースされました。

まあそれだけの話で済ませるわけにもいかないので、そのシーンの切り出しを見てみると、特撮好きの地元民は隠れてにやにやしてしまう場所でロケ撮影が行われているのです。

もともと茨城県はドラマや映画の撮影ケースが多い都会と田舎の混在で、県庁本庁舎や付帯施設などは一時期、毎週爆破され木っ端みじんにされているほどです。

「タイムレンジャーVSゴーゴーファイブ」においては、つくばセンタービルやつくばカピオなどの都会っぽい背景で戦闘シーンが描かれています。このビルの中庭はある意味特撮聖地のひとつでもあり、古くは超電子バイオマンやら特警ウインスペクターほか、仮面ライダークウガ以降の平成ライダーものにもちょくちょく使われています。昔は、火曜日の早朝、という符丁が、撮影に来ている情報として地元では取り交わされていました。

もうひとつの現場が、霞ケ浦開発の地域還元策として90年代に建設された霞ケ浦ふれあいランドの虹の塔。電子戦隊メガレンジャーでは敵方のアジトというけしからん扱いでしたが、「タイムレンジャーVSゴーゴーファイブ」では東京湾に水没したゴーゴーファイブの基地ベイエリア55の後継拠点として、巽モンド博士が管理する研究施設で再登場し面目躍如しています。ただし現在は、コロナ禍対策ですべての施設が閉館という残念なことになっています。

RESCUEPOLICEの時代

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警視庁が設置していた特別救急警察隊の発展経過として、二代目のレスキューポリスは特装救急警察と改められ、数々の科学装備を投入し、初代のウインスペクターと比べて大幅な拡張が図られました。重層型、軽量型の強化服と、小型重機に変形できるロボットで編成された彼ら、ソルブレインが活動したのが1991年。実はウインスペクターが1999年という設定だったのですが、ソルブレインでは新世紀まであと9年と語られ、時代のねじれがあります。

番組の世界観は今回除外して、30年前の特撮番組を振り返ると、この特救指令ソルブレイン以外だと鳥人戦隊ジェットマンと、不思議少女ナイルトトメスくらいしかなかった時代です。ウルトラマンでもなく仮面ライダーでもない、スーパー戦隊とも一線を画すヒーロー像は、80年代の宇宙刑事ギャバンに始まっているメタルヒーローとしてシリーズ化されていき、ソルブレインは10作目にあたります。

アクトスーツや小道具だけでなく、車両(遂にスズキでなくなってしまった)に至るまで予算と手間暇をかけたため、怪人や怪獣相手でなく犯罪者確保に対して過剰装備と言われもしましたが、17作を数えるメタルヒーローシリーズ内でも特筆すべきレスキューポリス三部作(翌年に特捜エクシードラフトが控える)は、ソルブレインが最もバラエティーに富んだ作りでした。

この時代、東映は新機軸を産み出す意欲とパワーを有していました。毎年モチーフを変えていくスーパー戦隊という下地はありながらも、人造人間キカイダーやロボット刑事、変身忍者嵐のように別物へと水平展開していくヒーロー創造は、東映の財産と言えるでしょう。手を変え品を変えは現在の仮面ライダーでも行われていますが、どちらかといえば「なんでもかんでも仮面ライダーの冠をつける」手法へと変異しており、それはちがうよなと感じるのです。

 

ゴルザの憂鬱

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ゴルザ、というのは「ウルトラマンティガ」の第一話以降、ちょくちょく出てくる古代怪獣のことですが、その第一話において出現したモンゴル平原(高原)から、わざわざティガの遺跡に封印された光の巨人像を破壊するため日本海を渡ってくるパワフルな怪獣です。なんでそんなに執着するのかなあと思っていたのだけれど、「ティガの遺跡 っぽい」を書いたときには意識していなかった、光の巨人は三千万年前に遺跡に実体を封じて宇宙へ去った、という設定が関わっているようです。

よくよく考えてみたら、三千万年前って、まだティガの遺跡が所在した東北地方はおろか、日本列島自体が無いのです。列島になる予定の陸地はおおかたが大陸の隅っこの沿岸部分で、その頃だったらゴルザも地続きの陸路だけで遺跡に辿り着けたはずだったのです。当時のゴルザが何をもたもたしていたのかまでは知りませんが、さっさと遺跡つぶしに行けばよかったものを、何世代かほったらかしにしていたがために(当時のゴルザとティガのゴルザは、たぶん先祖子孫の関係だという前提)、遺跡ができてから一千万年くらいの間に大陸沿岸はプレートの活動で引きちぎられ、東日本になる予定の大部分はついでに海中に没してしまったのです。

何らかの理由で覚醒した現代のゴルザは、モンゴルから沿岸まで出てきて、そりゃ驚いたことでしょう。遺跡が消失しているのですから。しかし怪獣同士の意思疎通なのか闘争本能の伝播なのか、時を同じくしてイースター島から別の怪獣メルバが復活し、これまた一直線にティガの遺跡を目指して飛んでくる。ゴルザはこれに導かれて、思わず日本海に泳ぎ出したか、海底下の地中を進んできたかで、秋田県に上陸しました。メルバもまた光の巨人殲滅という命令を何者かに刻まれていたようですが、どうやってティガの遺跡の所在を突き止めたのかは謎です。

この、何者かというのは超古代文明を滅亡させかかった闇の意志に操られた巨人たちであろうと思われますが、その背後に控えていたのはあまねく宇宙に拡散しているダークマターではないか。ダークマターは天の川銀河の九割を構成する謎に満ちた物質ですが、それがもたらす重力は地球へ巨大な隕石を衝突させるような軌道攪乱を起こす可能性があるといわれています。もちろん、これが巨人をかどわかし闇の勢力へ変貌させた意志とどうつながるのかは解明されていません。

ダークマター素粒子は地球内部にも存在しており、衝突すれば消滅する。その際の熱エネルギーが大規模な火山活動を発生させたという学説もあります。火山活動の原因はプレートの移動であり、地球表面が分断され大陸が複数誕生するだけでなく、複数のプレート境界線では広域火山帯の生成とともに日本列島のような特殊な地形をも生み出してきました。それらが地球内部と、太陽系規模の運行による銀河系での濃密なダークマター集積ゾーンとの接触によって引き起こされ、本来大陸の沿岸にあったティガの遺跡も三千万年をかけて移動していったのでしょう。

奇しくも三千万年という歳月は、多少の誤差もありますが、銀河水準面に対して上下方向に蛇行して公転する太陽系が、銀河系の中心部を通過する周期でもあり、銀河中心こそ塵、ガス、恒星、ダークマターなどの過密ゾーンなのです。闇の巨人を光の戦士へと導いた地球星警備団団長・ユザレがタイムカプセルを遺していましたが、あれを深く解析できていたら、そろそろ地球が危ない時代だよというメッセージが出てきたのかもしれません。

ウルトラマンティガも、もとは闇の勢力でしたが、現代においては地球人に刻まれていた光の遺伝によって、闇の姿ではなくユザレに諭され転生した光の巨人として復活したのは幸いでした。ただ、三千万年前というと、まだホモサピエンスは存在しておらず、狭鼻下目のヒト上科がオナガザル上科から分岐した頃です。テナガザル、オランウータン、チンパンジー、ゴリラではなく、ヒトへの成長種に光遺伝子が託されていた。これは奇跡です。ゴルザ、なにをのんびりしていたのか・・・