昨年末に迷い込んで、偶然通りかかった路地。本年元旦のブログに載せた建物は、わざわざ解説する必要もないほど著名なアパートの再建版でした。ここから数えきれないほどの漫画が世に送り出された戦後で昭和の一コマを垣間見た気がしますが、彼らはまだ徹夜仕事を終えて寝静まったばかりなのでしょう。しかしこうして眺めてみると、僕自身が上京して住んだ時の四畳半下宿に比べたら、かなり立派な作りですよ。てことで本日は「漫画の日」だそうです。
つわものどもは夢のなか
間寛一が鴫沢宮を足蹴にしたという熱海の夜は、年次は不明ですが1月17日の夜と、寛一のセリフ(小説版)に記されています。尾崎紅葉が「金色夜叉」の連載を開始したのが1897年で、舞台背景には日清戦争後の世相が落とし込まれていることや、前年に開通した鉄道が利用されている情景から、仮定として熱海の夜は1897年という前提でこれを邪推します。この年のこの日の月齢は、おおむね14。もうすぐ満月が巡ってくる晩でした。
「今月今夜の~」という寛一の三行半はドラマや映画向けに短縮アレンジされたものという逸話は有名ですが、「今夜の月」と同じ月齢の月を見上げるには、実は19年経たないとそうならないのが地球と月の軌道関係です。さてそれでは2024年の熱海だとどうなのかと言えば、月齢14くらいだと15日の夜でした。
ちょっと惜しい・・・
十二支の干支の中で、竜は唯一、想像上の存在です。辰年は陽の気の脈動によって万物が振動し活力旺盛する、成長し形がととのう年とされています。超自然的とはいえ想像上の存在ごときにそんな効能があるのかよと思うのですが、身近で突然意外なことが起きたり、急に思いついて何かしらを始めることを「足元から竜が上がる」と言い、要は気持ちの持ちようなのかと半分納得するわけです。
竜の視点から見たらきっと「行き当たりばったりで暮らしてやがるくせにどうにかなってるだろうよ」などと言われそうなのがつくばーど®の在りようです。それでもいろいろなものが重くのしかかってきているのが現実。ここで足元に潜む超自然的想像の存在に頼るか、地に足をつけて前を向くかを決めなくてはならないのが人の辛いところです。
ぶつぶつ独り言ちていても2024年は始まってしまいましたから、今までどうにかなってきたならここからもどうにかなるんじゃないの? という能天気さを捨てることも無いのです。と・・・なんともいい加減な一年の計を立てることにしました。自分の力量を願みず強大なものに抗うとか、大それた計画や無謀なことをすることを「竜の髭を蟻が狙う」とも唱えますが、何も自分で自分を蟻呼ばわりしなくたっていいじゃないですか。
そのような気分で、遂に無謀で大それた計画の後半戦に挑んでまいります。
などと能天気なことをやっていた矢先、令和六年能登地震が発災し、極めて広範囲な津波と局所的大地震の被害が時間を追うごとに拡大しています。仙台での被災を思い返すと、それこそ自分には何一つできない無力さしか蘇ってきません。被災された地域の方々が少しでも平穏を取り戻せますようお祈り申し上げます。
鎌倉です。もうなんというか、観光ではなく栃木に行ったり千葉に行ったりで窓際にすらいないぞのロートルな自分です(言ってて自分が哀しい)
これと真逆な長谷の大仏は、創建年次が不明ながらざっと800年くらいこの場に鎮座したままという。気の長さか忍耐力の強さかと、感心させられます。台座を除くと高さが約11m。もしも立ち上がったらマジンガーZくらいになるのかとか余計なことを考えます。
長谷の大仏を立ち上がらせてしまえという妄想は、僕のオリジナルではなく故・実相寺昭雄さんのもので、「ウルトラマンタロウ」で撮ろうとしていた逸話があります。なんでNGになったかはまあ、セットを作るだけでもとんでもないコストがかかっただろうし、高徳院側の快諾を得られなかったからかもしれません。このシナリオは後に板橋しゅうほうさんが読み切り漫画に起こしています。そういえば奈良の大仏も星野之宣さんの「ヤマタイカ」で動き出そうとしていました。
我、七色混成発光星域到達セリ?
wangan-skierが夢のあと
子供の頃に祖父母に連れていかれたことのある「船橋ヘルスセンター」は、もうすっかり記憶から消えてしまっています。その跡地が「ららぽーとTOKYO-BAY」だとは知っていますが、実は大人になってから来たことが無かった。30年前に開業し9年で閉鎖した「ららぽーとスキードームSSAWS」も、湾岸線から遠望したくらいで夏スキーに出かけたことはなかったのです。今回、この辺りで撮影の仕事が入り、20代の部下の男の子を南船橋駅でピックアップしました。
そのとき駅のロータリーから出て沿道で待っていた彼が撮っていた写真をもらったのが挿絵ですが、SSAWSのあった場所には外資系の巨大家具センターがででんと鎮座しています。この東側に展開する公団住宅の団地は開発当時のままで、下手に入り込むと通行止めや一方通行出口の嵐で脱出困難になります。
「ザウスがあった頃に来ていればここ半世紀の景色の変化を見たことになったんだけど、何しろ俺もン十年ぶりなんだわ」
と、なにげに呟いたらば彼は
「ざうすって何ですか?」
・・・そうだよねー。