本来2023年1月発売の号に掲載してもらう予定のエスクード誕生35周年ミーティングが、昨日発売の号に出てしまいました。
あれほど2023年に向けてのプレイベントだって言ってきたのに「今年はいよいよ35周年ということで」ってどういう神経しているんだか。僕の仕事の世界だったら一発レッドカードで担当者は更迭です。
この件については、参加してくださった皆さんや裏方で協力してくれた方々には平にお詫びするしかないのですが・・・
遂にヴェールを脱ぐウエストウインの新戦略をここにご覧いただきましょう。
川添哲朗君は偉大な勇者として戦い続けてきたものの、TDAに参戦してくる対戦相手の性能もドラテクも日進月歩で向上しています。もはや初代のスペックアップであるアトミックパンチもブレストバーンも、歯が立たない傾向さえ見えてきました。しかし、命を燃やす時は来ているのです。
光子力より光量子の方が、強そうに聞こえるじゃないですか。サンダーブレークなんかスペースサンダーの前には敵わないようにも思えるじゃないですか。
という耳打ちを、ウエストウインのダークサイドな裏方が島雄司監督に仕掛けたのは言うまでもありません。ただ、軽量化策は不可避だったので、勿体ないけどスベイザーは撤去し単体で戦うこととなりました。
そんなわけで! 川添君はアンフィニクラスを使い慣れた偉大な勇者で、リミテッドクラスには新機軸の宇宙の王者と使い分けることになります。
既に試運転をやったんですが、周囲からは「これはずるい!」と言われているそうです。でも勇者の超合金NZは溶接に不向きで、王者の方は早々と動力伝達機構を焼いてしまったらしいです。
「どうすんだよ今月の最終戦っ」えー? せっかく勇者と王者を取り寄せたのに―・・・
最近拝見した初代エスクードに関する評価ルポ。これだけの好評を書いてもらえるくらい、機能性にしても基本性能にしても、見てくれだって時代を先取りし後世に残るカードを切っていたのだとあらためて思わされます。
なんだってあの当時、半端だ軟派だと言われなくてはならなかったんだろう。それはきっと、周囲がジープだパジェロだサファリだランクルだという環境だったからでしょう。
それこそ極地とは言わぬまでも悪路のある舞台でぶいぶい言わせていたクロカン四駆ですから、世間の耳目に触れることも多くなかったところへ、都市型四駆、ライトクロカンなどと言う触れ込みで野山どころか街角に現れたのがエスクードですから、ひょっとするとやっかまれたのかもしれません。その頃のむくつけき四駆を街へ下ろしてきて、威風というより違和感とアンバランスさを売りにしていた流行には照れだってあったはず。それをいっぺんに吹き飛ばしてしまったのだから、エスクードがクロカン四駆でもなくステーションワゴンでもなく・・・という隙間を逆に吊るされた感がありました。
ライトであってもクロカン四駆なら、とばかりに半ば無理やりなインプレッション記事も出てくる。一方で、どうすれば並み居るクロカン四駆と対等に渡り合えるのかを自ら所有する個体で果敢にアタックしていった人々もいた。そんな人たちの言葉を聞けば、どれほど有名な評論家のコメントもばからしくなる時代にあって、評価軸はやっぱり異端の域でした。そして30年ちょっとが過ぎて、エスクード自身も時代の変化に抗うことができなくなっていますが、その道筋を初代の時点で予見していたともイメージできます。
痘痕も靨といいますから、この1台にはまってしまった人種にとっては、半端軟派と言われた時代も含めて、これ以上の傑作が出てこようともどうだっていい、ある意味開き直りの現在です。←いやそれって僕だけだな
あと半年すると、デビュー35年。継続は力なりです。